第8話 人生を変えた1つの質問【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】

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ー前兆に従ってゆきなさい




かけ足で山手線の原宿駅の改札をぬけると、

原宿のシンボルのような、大きなGAPの建物が見えた。




平日の昼間だというのに原宿の街は

OLさんや早足のサラリーマン、学生たちで忙しそうだ。




うぅ....寒い。




急にブルっと震えが来る。

春になったばかりの東京は、日差しは暖かいけれどまだ風が冷たい。




えっと......なにしにきたんだっけ。




勢いで家を飛び出してここまで来てしまったけれど、

寒さで冷静になると、急に不安になってきた。





それより、まさくんって原宿のどこにいるんだろう.....


そういえば連絡先も知らないんだ。


私が一方的に知ってるだけなのに、

はたして今私がやってることは迷惑じゃないんだろうか....。





”会わない方がいい”まっとうな理由が、つぎつぎと浮かんでくる。




さっきまでの胸があつくなるような”ワクワク”した気持ちも、

ただの不安の震えだったんじゃないかと、勘違いにさえ思えてくる。




原宿の人の流れの真ん中で、携帯を握りしめたまま一人立ち止まってしまった。




一体私は何をやっているんだろう。。。





よく考えると、今まできちんとした”目的”もなく行動するなんて滅多になかった。

『まさくんに会って、で?どうなる?』先が見えない自分の行動に怖くなる。





ただ本を読み終わったままの勢いでここまできてしまった自分が

小さくて幼くて、だんだん恥ずかしくさえ感じてきた。




そのとき、ふとアルケミストの一節がよぎる。




 ー前兆に従ってゆきなさい。




主人公の羊飼いの少年は物語の中で、

何度も何度も、その「前兆」ということばを聞かされるのだ。



そして少年はたくさんのハプニングがあっても、

その”前兆”を信じて行動し続けていた。



すると、かならずそこに答えがある。

そしていつも、ハッピーエンドなんだ。





.......よしっ。

やっぱりまさくんを探そう。

とにかく、会うだけ会ってみよう。





顔を上げ、人の流れにまかせながらまた歩き出す。




もし私が物語の主人公だったら、

私の前兆は、確実に”アルケミスト”だ。





この1ヶ月のつらなった偶然が思い浮かぶ。


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