第8話 人生を変えた1つの質問【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
まほちゃん、いいね〜〜!最高だよ〜〜!
目の前にいる、いつも通りの青いTシャツを着たまさくんは、
路上にゆったりと座って爆笑している。
と、言いながらも、まさくんが笑い飛ばしてくれたおかげで心は少し軽かった。
すっかり春になった原宿は、代々木公園からの気持ちいい風が吹いていた。
真っ青に晴れた空に、木々が揺れる音はなかなか心地がいい。
いや、まほちゃん、でもさっき言ったことは本当だよ!
自分はもう何もできませんー!って一旦手放すんだよ。神様に任せるんだ
あはは。と、また笑って、まさくんは上出来だ!という顔をした。
でも本当に、さっきまでの絶望の淵にいたような心境からは少し抜けれた気がした。
なんとかなるから!
僕の仲間たちが代々木公園でお花見やってるから、気晴らしに行ってみたらいいよ!
まさくんにそう促されて、涙でぐちゃぐちゃな顔をふいて立ち上がる。
後ろにはもう、彼の書き下ろしを待っているお客さんが並んでいた。
まさくんはニコリと笑うと、悩めるお客さんと話し始めた。
ズボンのホコリを払い、私もまっすぐに代々木公園へ歩き出す。
大きな大きな難関
まさくんに出逢って1ヶ月、それは卒業して1ヶ月でもあり、
そして”ニート”(=無職)になって1ヶ月、ということでもあった。
「自分のワクワクした人生を生きるんだ!」そう決意して、
就職もけって、今までやってきたこともやめた。
まさくんにも会って幸先は良好!今から私の”新しい人生がスタートする!”
の、はずだった。だけど私はここで大きな難関にぶち当たっていた。
それは、今まで見ないようにしていた問題だった。
本当に分厚い壁が四面八方に自分の身体を挟んで息ができないような、
そんなどうしようもない苦しい中にいた。
そして一人でもがいて真っ暗になったとき、
原宿に座るまさくんのところへと、相談しに駆け込んだのだ。
どうにか、この悩みから抜け出したかった。
そしてまさくんから、謎の「観念」の術を教えてもらった!
...これで大丈夫だろうか。
ベストセラーの作家さんとの出会い
まさくんの仲間に会うため代々木公園へ向かう。
代々木公園を奥へ奥へと進むと、ただっぴろい広場のような場所に出る。
その真ん中で、シートを広げて10人くらいの人が集まっているのが見えた。
東京の桜はまだちらほらとしか咲いてなく、
お花見というよりちょっとしたピクニックのような感じだった。
あれがまさくんの言ってた仲間たちかな?
著者のShono Mahoさんに人生相談を申込む
著者のShono Mahoさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます