【Part 10】「とりあえず、統合失調症患者になった自分が語る、26歳の人生。」~僕は、統合失調症のイメージを覆したい~【完結】

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・「あの角を曲がれば…。」~障がい者理解講座にて


 地域自立支援センターにて行われた、「障がい者理解講座」に、参加した。


 おいしいバウムクーヘンを食べたり、女の子といちゃいちゃ出来たり、とてもHAPPY。

ハッピーな時間だった。


 中でも、印象的だったのは、こういった、障害を持つ人の親たちのネットワークだった。

 そのネットワークでは、料理教室をしたり、週に一度集まって、井戸端会議をしたりするのだ。そのネットワークのリーダーのおばあさんが、こんなことを言っていた。


 

患者さん
「○○さんや~。おら、この病院に行くときの曲がり角曲がるの嫌だ!」
リーダーの女性
「な~して?」
患者さん
「だって、こいつ、病院(精神病院)に行くんだと思われるから、嫌だ」
リーダーの女性
「だったら、おめさんが、あの角を曲がる人を区別・差別して、『あ、あいつ病院に行ってら!』と、思うんだったら、自分も同じことを思われても、仕方ないっぺよ。」
患者さん
「そうか。そうだよな~」


 本当に、そうだよな~と思った。


 自分は幸いにも、周囲で白い目で見られたりと言う事はない。そもそも、白い目って何だろう?と、思ってしまうぐらい、恵まれている環境にいる。


 自分が、白い目で見られていない。と言う事に感謝しつつ、自分も、自分こそが、周囲を白い目で見るのをやめようと思った。


 障害を持った人も、同じ命を生きている。同じ24時間を生きている。


 このことを、忘れないでほしい。






・働く事へのドクターストップ~「劇作家・エッセイスト・パフォーマー」を名乗ってから、人生明るくなった~


 2014年6月27日。ちょうど入院してから、5ヶ月後、自分は、自身のフェイスブックで、「劇作家・エッセイスト・パフォーマー」という、世界で誰もやっていそうで、やっていない、要は、「物書きと俳優」で、今の段階では、過ごそうと考えている。もちろん、これで、一生飯を食っていけるほど、世間は甘くないので、肩の力を抜きつつ、徐々に、障がい者向けの「職業訓練」に通い、障がい者向けの求人に照準を合わせている。


 医者からは、無理はしないでください。頑張らないでください。と、再三三度言われ続けているので、無理をしない生活をしている。


 毎月、1日と15日に、一万円ずつもらい、それを趣味として、使っている。その生活は、障害基礎年金がもらえるまで続けようと言う約束にこぎつけた。


 あと、8月1日まであと一週間あるのにもかかわらず、残り30円しか残らなくなってしまって、やることが無くなってしまったので、この文章を書く時間が、有り余るほど出来ている。感謝。でも、来月からは、ペース配分を考えて、お金を使う事にしようと思う。






 おわりに~・やりたいことを、やりたいように~




 自分がやっているブログ、「空の宝箱」に、「臨時職員 辞めたい」のキーワードで、自分のブログを訪れた方がいらっしゃる。


 ちゃんと蓄えを整えて、辞めた方がいいですよ。自分のように焦っていろんな事をやると、最悪な場合、病気になってしまいますからね。


 と、思おう反面。


 どうして、辞めないんだろう?辞めたいなら、辞めればいいのに。と思う自分もいる。


 自分は、千田琢哉に憧れて、この物書きになっている。この文章が完成したとき、次もいいものを書けるネタを探すことに、全神経を集中させたい。と言うか、次回作も書きためておきたい。


 この本の執筆も、わずか17日で全文を書いた第一稿を完成させている。


 それこそ、


 「無理してんじゃねえか?」


 と、心配される方もいるかもしれない。でも、大丈夫だ。これが、やりたいことなのだから。


 やりたいことは、人にダメ!と言われてもこっそりとやってしまう行為である。そう、千田琢哉は言っていた。


 ならば、自分はこの「物書き」、「エッセイスト」が、やりたくてやりたくて、仕方が無いのだ。


 執筆中も、苦痛に感じたところは、「締め切りに間に合うかな~」ぐらいだった。多少、過去の事をほじくり返すのが、苦痛だったが、それも話のネタになるので、楽しかった。まずは恩師・天野みどり先生、上野俊哉先生に、多大なる謝意を。そして、お世話になっている赤羽先生、ケアワーカーの鈴木一由さん、叔父に、感謝。なにより、ここまで育ててくれ、病床に伏していた時、何度も励ましてくれた母親に、最大級の感謝を。






 あとがき


 とりあえず、第一稿が完成してしまった。


 こうやって、文章の量、紙幅の事を気にする事が、至福の時である。明日はどんな私服を着ていこうかしら。


 そんな、たわいもないことを思いつく、日常こそが、なんてことのない、「統合失調症になってみた」唯一の感想である。


 どうってことのない。どこにでもいる。普通の青年の話である。


 この感覚が、広く伝わるように、雌伏して時の至るを待つ。



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