第10話 人生を変えた旅ペルーⅠ【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
ペルー行きの飛行機に案内されてシートに座ると、
周りはラテン系の彫りの深い顔立ちばかりだった。
さっきは何てラッキーだったんだろう。
お姉さんは、次の便でも同じことをすれば大丈夫!と言ってくれた。
急に緊張してくる。
防犯用に腰に巻きつけたパスポートをまた確認した。
南米は治安が悪いと聞いて、お金も腰のポーチに入れてある。
それも確認する。
すると、今度もまた聞き慣れた日本語が聞こえてきたのだ。
振り向くと、また日本人の女性が立っている。
座席の番号をもう一度見返してしまう。番号はもちろん合っていた。
なんと、たまたま隣の席はまた日本人の女性だったのだ。
しかも名前を聞くと、「まきさん」という方だ。
そうゆう偶然は、自分の中でのOKサインだった。
10時間近いフライトも、彼女のおかげで楽しいおしゃべりの時間となった。
心配していた手続きも、二人で協力してやることにした。
飛行機を降りてからの入国審査も、荷物の受け渡しも
日本人二人だと全然怖くない。
そうして、心配でたまらなかった飛行機もなんなくクリアできたのだ。
一番の不安の種だった飛行機も、それも2回も、
ちゃんと導いてくれる”彼女たち”に出会うことができた。
ペルーまでの全ての道のりが、大きな何かの「前兆」のような、
導かれている感覚だった。
そうして、ついに、ペルーに到着したのだ。
第3章 リョニーさんとの再会
そうして、私はやっとペルーまで辿り着いた。
日本を出て30時間程かかっていた。
身体半分のバックパックを背負い、エントランスへ出る。
ペルーの首都、リマの空港だ。
時間はもう深夜の1時になろうとしていた。
しかし、空港は沢山の人でにぎわっている。
この時間に着く飛行機が多いのかもしれない。
ピーク時のようなにぎわいだった。
周りはスペイン語が飛び交っている。
まだ音にしか聞こえないけれど、
スペイン語の独特のテンポは心地よくて好きだった。
真冬の日本から、一気に少し肌寒い夏ほどの気温になった。
空気が普段と少し違うように感じる。
なにもかもが新鮮だった。
眠たいはずなのに、すべての細胞が全部開くような
高揚と興奮と緊張感でワクワクしていた。
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