第10話 人生を変えた旅ペルーⅠ【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】

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成田空港へ行くため電車に乗ると、朝の通勤の人たちの視線が痛い。



いざ当日になると、出発の感動はあまりなかった。



なぜなら一番の心配の種がまだあったからだ。

それは「飛行機」だった。




私は今回が初の海外一人旅だ。

実は一度も一人で国際便に乗ったことがなかったのだ。



しかもペルーの飛行機は、日本からの直行便がない。

一度アメリカで乗り換えもしなければいけなかった。



英語もスペイン語も出来ない私は、

異国の地でちゃんと手続きが出来るのか心配でたまらなかった。



” 空港でよく使う英単語フレーズ ”なるものを写した紙と、

携帯の指差しスペイン語アプリだけが頼りだ。




成田空港に着くと、チェックインを済ます。




搭乗口に進むと、アメリカに到着する飛行機だけあって

日本人の姿が全然見当たらなかった。




ーうわあ。外国人ばっかりだ....。

 困ったら誰かに聞こうと思ったのにな....。




周りを見渡しても、日本人の姿が見当たらなかった。




機内に案内されて、シートに座る。

前後のシートからは外国人の身体の大きなおじさんたちがはみだしている。




お姉さん
あの、すみません。




すると、急に横から声を掛けられた。

振り向くと、日本人のお姉さんが立っている。




お姉さん
あ、私その隣の席です。よかった、日本人同士ですね〜!





隣の席は偶然日本人の女性だったのだ。




あぁ、よかった。私も外国の方が来るかとドキドキしてたんです!
初めての一人旅で緊張してて。



急に肩の力が抜ける。



彼女は以前留学していたカリフォルニアに遊びに行くそうだった。

英語もペラペラだ。




お姉さん
初めてなんだ。いいね〜。私留学もしてて少し慣れてるから、よかったら色々教えるよ。

まずね、入国審査の紙と税関の紙を書くのは知ってる?




私は入国審査や税関の用紙があることさえも知らなかった。

英語の質問が並ぶその紙に、なにを書くのか彼女は親切に教えてくれる。




そして飛行機を降りた後は英語での入国手続だった。




それも、英語ができる彼女が手伝ってくれたのだ。

本当に助かった。





まほ
ありがとうございます!いい旅を!





アメリカが目的地の彼女とは、ここでお別れだ。




彼女とハグをしてお礼を言った。

そうして彼女のおかげでなんとかアメリカに着くことができたのだ。




そして次はついにペルーへの乗り換えの飛行機だった。




搭乗口へ行くと、日本人どころかアジア系の顔もほとんど見なくなった。

言葉も、英語から急に耳慣れないスペイン語へと変わる。

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