【蘇った愛♡私の孫はアメリカ人】〜命の数だけある命の迎え方・日本人バアバが見たアメリカ出産事情〜20万分の1の奇跡の物語☆

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母親になった瞬間から、女性は、女という性の中に潜んでいる本能が支配する「母」という性が浮上してくる。


動物の母親も、孤児になった全く違う種類の動物の赤ちゃんを育てる、という話はよく知られている。


母親というのは、本能で動く生き物なのだ。


しかし、現代社会で育った私たちはその本能が鈍っている。

そしてそれを理性で補おうとするから、余計に本能が鈍ってしまう。

その上、核家族になったことで、おばあちゃんの知恵袋的な実践的アドバイス、実生活でのサポートもない。

子育てのストレスが起きるのでは、当然ではないか?

そんな感じがする。


理想の母親像を掲げて、自分をそれと比較する必要はない。


赤ちゃんが生まれた時、産んだ自分もお母さんとしては新生児。

赤ちゃんと一緒に、自分も生まれたてのお母さんとして育っていくのだから。


自分にやさしく、ストレスを感じる自分も許してあげて。


ストレスを自分一人で抱えないで、ご主人、ママ友、お母さん、

みんなに自分の感情をシェアして。


自分の中に溜め込まないように・・・



可愛さと大変さはワンセット。


ママだって、赤ちゃんと一緒に泣きたくなる時だって、いっぱいある。


自分はダメな母親なんじゃないか、なんて思わないで。

罪悪感を持つ必要もないから。



直感と本能の声に耳を傾けて。


母親は泣いている赤ちゃんの微妙な泣き方の違いをキャッチできる。

それもね、少しずつだから、心配しないで。


赤ちゃんが言葉をゆっくり覚えていくように、

ママも赤ちゃんの泣き声を覚えていくんだから。


それは、バアバになっても・・・?笑




ココのベッドの反対側に寄せられた小さなベッドの中で、生まれたてのブロンソンは、なんだかこもるような泣き声でだった。


私はちょっと気になった。


すると、ブロンソンの胸に聴診器を当てていたモデルのように美しい看護婦さんが、私の表情を読み取ったのか、説明してくれた。


           


普通は、産道を通る間にぎゅっと胸が押されて、羊水が出るんだけど、帝王切開で生まれた子は、産道を通っていないから、肺の中にたまっている羊水が出にくいからこんな声になるの。

だから、ノーマルだから大丈夫よ。

お母さんの胸に抱いてもらうと、もっと元気に泣くかもしれない。

元気に泣いてくれる方がいいのよ。




そうなんだ。

知らなかった。

自然の仕組みというのは本当によくできているんだなあ。


また、新しいことを学べた!笑


リクライニングのベッドで少し上体を起こしてもらったココの胸に、赤ちゃんが運ばれてきた。


Skin to Skin  

つまり、裸の胸に裸の赤ちゃんを乗せてスキンシップさせる。


すると、急にブロンソンの泣き声が大きくなった。


赤ちゃんは泣くしかないから、ママに抱かれた喜びも

泣き声で表しているのかもしれない。



GOOD JOB!!

この調子で泣けば、羊水が出てくるから、元気に泣いてくれるのはいいことなのよ。


看護婦さんがココに声をかけてくれた。


「ブロンソン…」




裸の赤ちゃんを直に胸に乗せてもらったココは、泣いていた。


ついさっきまで、お腹の中にいた子を抱く喜び。



妊娠したことをウエルカムと思えなくて、産んで一人で育てられるのか、養子に出すべきか、など様々な辛い想いを経てきたからこそ、その喜びはひとしおだった。



「本当に、この子を産んでよかった。


 やっぱり、私、間違っていなかった」




    

     


私の目を見て娘が言った。

彼女の頬に、一筋の涙がつたって落ちた。


うん・・・


私も頷いて泣いた。



そう、間違って生まれてきた命なんかない!



みんな、こうして愛されて生まれてきた。


みんな、こうして至福の歓びをお母さんに与えてきた。



     

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