【第五話】『限界を探しに…』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
本当の気持ち…
「生きたいのか?」
「死にたいのか?」
「生きたくないのか?」
「死にたくないのか?」
しばらく僕は、そんなことを考えていた。
僕の人生を変えた人物の一人に、最も熱い男がいる。
「松岡修造」
そう、この男だ。
僕は、答えの出ない質問を繰り返し、繰り返し、自分自身にしていた。
そんなある日、テレビで炎の体育会TVという番組を見た。
元プロテニスプレイヤーの松岡修造さんが、子どもたちに3日間の合宿でテニスを通して、
「弱い自分を変える」という企画だった。
僕はこの番組で、
日本一熱い男、松岡修造から今後の人生を左右するメッセージを受け取る事になる…。
小学生の、まだまだ幼い子どもたちに、本気で、全力でぶつかる。
「子ども」対「大人」ではなく、
「人」対「人」として、全力で思いを伝える。
大人げないと思う人もいるだろう。
でも、大人が真剣に、全力で子どもにぶつからないで、
どうやって子どもが、本気や、真剣に取り組むことを学ぶだろう?
どうやって子どもが、全力で一所懸命になれるだろうか?
修造は、子ども達に、何も言わない、何も言えない親に代わって、
「人として」
真剣に、本気で、全力で、子ども達と接する。
練習中、ミスをして
「すみません…」
と謝る子ども。
修造はこう言う。
「一生懸命やってる中で、失敗することは良くあるんだ!」
「そこから、どう悔しがって、どう直していくかが一番だろ!」
楽しく、そして厳しく、真剣に子どもたちに接する。
そして3日目、最終日。
子どもたちの両親が見守る中、最後の試練を与える。
「修造との対決」
子どもたちは皆、弱い自分を変えるためにこの合宿に参加している。
最後の試練…
「強くなった自分」
を両親の目の前で証明する。
勝負は身体がキツくなってから。
修造は、「ここまでするの…?」という程、子どもたちにプレッシャーを与える。
子どもたちを追い詰める。
失敗する子ども、
ボールを追うのを諦めてしまう子ども、
上手くやろうとする子ども、
親に褒めて欲しい子ども、
修造は追い詰め続ける。
体力の限界まで、心が折れそうになるまで。
泣き出す子どもに、こう言う。
「絶対に諦めんな!」
「今まで全部乗り越えてきただろ!」
「強くなれ!」
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