【第五話】『限界を探しに…』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
「君なら絶対に出来る!」
「自分を信じろ!」
「諦めんな!」
そして子どもたちは変わり始める。
今までの自分の殻を破り、
「強い自分」
になる。
幼い子どもたちが一所懸命に頑張る姿に涙が出た。
「あなたなら絶対に出来る!」
と我が子を見守る親の姿に涙が出た。
何より、修造の言葉に涙が止まらなかった。
「こんな小さな子どもだって全力で頑張ってるのに…」
「僕は一体、何をやってるんだろう…」
そう思った。
限界を探しに…
「今まで全部乗り越えて来ただろ!」
僕は、今まで様々なことから逃げてきた。
辛くなったら、嫌になったら逃げてきた。
でも、必ず次のことを見つけた。
逃げたことよりも、もっともっとやりたいことを見つけ続けてきた。
僕はこう思う。
「逃げる」
ということだって、一つの選択なんだ。
多くの人は、
「辞める」=「逃げる」
と思っているかもしれない。
僕もずっとそう思ってきた。
でも、自分が輝ける場所が他にあると思うなら、
辞めてもいい。
逃げてもいい。
と思う。
次のステージに行くためには、必ず何かを辞めなければならない。
「辞める」ということは、新しい選択をするということだ。
そして、「逃げる」ということは、新しい自分を見付けるための、
立派な選択肢の一つだと思う。
その選択は、決して、「諦める」ということではない。
新しい道を前に進むための立派な選択なんだ。
我慢すればいいってもんじゃない。
大切なのは、前へ進むこと。
自分の可能性を信じ、諦めないことだ。
僕は、全てに逃げてきたと思っていた。
たくさん失敗もしてきた。
でもいつだって、辞めたことに後悔はしていない。
自分が思う最良の道を選んできた。
僕だって、
「全て乗り越えて来たんだ!」
そう思った。
しかし、今僕は、また壁にぶつかっている。
そして、「死」を選ぼうとした。
今度は
「逃げる」
ではなく、
「諦める」
という選択をしようとしている。
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