【涙の最終話】 職人パパが、娘と難関私立小受験に挑戦した話

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前話: 幼児が、リーダーシップを一瞬で身につけた魔法のことば  職人パパが、娘と難関私立小受験に挑戦した話 第8話

そういう訓練もしてこなかった話し方。


職人らしい、自分の手を使って仕事をしてきた人の言葉。




校長先生は、にこやかに、


「大変よくわかりました。


それでは、今度は、君にお話をきかせてもらうからね。


元気に答えるんだよ。」と子どもの方を向いた。



「好き嫌いはありますか?」(第3話参照)と、

直球で、弱みを質問された。


続いて「好きな食べものは、何ですか?」


「お母さんの切り昆布の煮ものと、ぶりの照り焼きです。


お父さんの作ってくれる、カリカリの餃子も大好きです。」


(4人の先生、それは、おいしいそうだねと笑顔)


「幼稚園では、どんな遊びは好きですか?」


「忍者ごっこと、ドッヂボールです。」

「忍者ごっこって、面白そうだなぁ」。


「どんなことをするのかな?」

「みんなで、忍者になって修行をします。」


「得意な忍術は、何ですか?」

「グルグルの術です。速くまわって、相手をびっくりさせます。(先生たち、大笑い。)」


と、和やかに進んだ。




母親のわたしには、


万が一の場合の、家族での約束、ふだんの生活のなかで感じる成長について。




最後は、また、父親への質問だった。


「娘さんの、長所、ここは、えらいなぁと思うところは、どんなところですか?」




パパは、また、訥々と、話した。

努力をして、がんばれば、達成できるとわかっているところ。

鉄棒にしろ、自転車にしろ、ヴァイオリンにしろ、

自分自身で、努力する喜びをすでに知っているのが、いいと思っているということを話した。




逆上がりの練習で、手にマメを作って、つぶれて血が出ても、


できるまで、鉄棒にしがみついていたこと、


補助輪をはずした自転車で、何度も転んで、あちこち擦りむいたのに、


泣かずに、乗れるようになるまで諦めなかったこと。


思い出したパパは、涙声になった。




「えっ?」泣いてる??


面接の場で、自分の娘の話に、自分で感動して泣くって、あり??


と、冷や汗をかきつつ、でも、もう、誰にも止められない。


幼児教室で、「面接会場では、とにかく前を向いて、家族で顔を見合わせるのは、ダメです」と


言われていたので、顔を見ることもできない。


校長先生を見ると、うっすら涙を浮かべているではないか!?


「ありなの?!」




校長先生は、


「ご両親様のお考え、お子様への教育方針など、大変よく、わかりました。


本日はありがとうございました」と締めくくった。




3人で、立ち上がってお辞儀をし、


戸のところで、再度お辞儀をして、廊下へ。




「パパ、泣いてた~?!」と娘。


「やるだけのことは、やった!」とパパ。


泣き笑いで、くしゃくしゃの顔になっていた。






合格発表、運命の10:00。


20分も早く、到着。


門は、閉められたまま。


すでに5,6人が、待っている。


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