「さすが」あざみる映画SINCE2005
松子の場合
自分の特別な体験を出会った人に長々と話してしまう。
うちあけることで、気を引きたいのか、そうせずにはいられない様子がある。
話を聞いてくれる人に依存する松子の姿が見える。
精神崩壊の危機をその場を取り繕う嘘でごまかす。
教師としての失敗は決め手は同僚の金を盗んだ事だ。
これは社会能力の欠如を示している。
自分の状況を筋道を立てて説明が出来ない。
思考と表現力に致命的欠陥がある。
肉体関係には真心が必ずついてくると信じてる。
関係を持った男性を客観的に評価できない。
極端から極端へ移る気持ちにも異常さ感じる。
「人生は終わった」と思っても、また新しい恋に落ちる。
それを恋というか微妙だ。
依存症にしかみえないからだ。
刑務所から出所する際の女性職員の「理解できない」という感想が冷酷に現実を語る。
松子を無理に理解すると、一途な女だが、
冷静にみれば異常な自分自身をコントロール出来ていない狂人そのものだ。
荒川沿いのアパートでゴミに囲まれ生きる様子が特に切ない。
あれが、狂人の無理のない幸せだろうか。
一人で薬とジャンクフードをとりながら男性アイドルに夢中な毎日。
それが身の丈にあった幸せだという晩年はつらいが・・・。
松子の一生は無理に幸せを追った末の不幸だったのだから。
TITLE: ゲド戦記、私の見方
DATE: 08/01/2006 21:33:49
「ゲド戦記」に表われる魔法使いの光と影のヒエラルキーを
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