新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(1)
証券会社の営業マンにとって、新規開拓は月に1件開拓できれば普通。
2件開拓できたならば、月間の目標達成の世界なのです。
事実、私の務めていた証券会社の月間平均新規開拓件数が1件でした。
なのに、私は新入社員の1年間で100件以上の新規開拓を行い、3億円の資金導入を達成しました。
しかも、東京や大阪や名古屋のような都市圏ではなく、縁もゆかりもない群馬県で。
どうして、このような結果を残すことができたのか。
新規開拓に悩む営業マンの役に立つことができれば幸いです。
証券会社のイメージ
まず、証券会社と聞いて、どんなイメージを抱くだろうか?
「何をしてるのかよくわからない」
「ノルマがきつそう」
「超激務」
「営業成績がすべての業界」
多くの人がネガティブイメージを抱く職業です。
今振り返ってみると、確かに激務だったんだろうなと感じます。
証券会社の新規開拓営業とは
証券会社の新規開拓営業とは、証券会社の口座を新しく作ってもらい、株式・債券・投資信託などの金融商品を購入してもらう業務のことです。
証券会社の新規開拓営業は他の営業活動に比べて難しいと言われています。
理由は大きく分けて4つあります。
①金融商品の幅広い知識と高い専門性を要求される。
どの業界の営業マンも専門性を求められるのは当然です。
しかし、金融商品は形のない商品です。
商品機能を説明すれば良いだけではありません。
数多くの金融商品の種類を把握し、投資先の将来展望まで推測しなければなりません。
金融商品の種類は株式・ETF・REIT・外国株式・国内債券・外国債券・MRF・MMF・投資信託・デリバティブ商品など数多くの種類が存在します。
毎日変貌する日本・世界経済の流れを理解するのにかなりの時間を要します。
さらに、顧客は富裕層です。
金融リテラシーが高い人物が多く、何百万円ものお金を運用するので、営業マンには高い専門性も要求されるのです。
②扱っている商品はネット証券とさほど変わらないが、営業マンとの対面の取引は手数料が数十倍高い。
営業マンを通して取引をする証券会社と、ネットで取引の証券会社で、取り扱っている商品にさほど違いはありません。
むしろ、買うタイミングが同じならば全く同じ商品なものがほとんどです。
たとえば、Aという株式に投資する場合、営業マンを通して買うと10万円かかるものでも、ネット証券ならば1000円の手数料で済むのです。
全く同じものを買うにもかかわらず、ここまで手数料に差が出るのです。
③もともと投資に興味のある人は、今更新規口座で取引をはじめない。
投資にはリスクが伴います。
日本人は貯金をする文化が根付いているので、資産運用を行う人口が諸外国に比べかなり少ないです。
ある一部の人間しか投資に興味がないのです。
そんなごく一部の顧客層は既に証券会社の口座を持っています。
わざわざ、あまり違いのない証券会社の口座を作るメリットが無いのです。
興味があっても、ネット証券で口座を作成することがほとんどです。
④扱う金額が大きいので、詐欺と疑われる。
資産運用は、数百万円の取引を行うのが一般的です。
そんな大きな金額を飛び込みや電話営業でセールスされたところで、現代では詐欺であると疑われても仕方ありません。
しかも、実体のない商品を売っているので、顧客からすれば不安はいつまでも拭いきれません。
事実、資産運用勧誘の詐欺はかなり横行しています。
そんな、時代錯誤も甚だしい証券会社の新規開拓営業を、時系列で語っていきたく思います。
きっと、営業に悩む人や、これから証券会社に就職する人の役に立てると思います。
続く
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