35年ラブ

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著者: 天野(あまの) 功一(こういち)


不思議な女性に出会った。正確にいうと35年ぶりぐらいに再会した。



鹿児島の高校時代の同窓会にふらふらと参加してみた。そこで彼女と再会した。

不思議な女性は私の高校の同学年。クラスは一度も一緒じゃなかった。

彼女とは、あまり面識がない。温厚そうな印象。でも、話してみて驚いた。


彼女は、高校時代の私の天敵?ははははは。の奥さんになってた。

彼女だけ同窓会には参加してた。天敵は不在。



歴史をサカノボル。そして私の所在場所の地図は、現在の東京から南の国。鹿児島に飛ぶ。


むかしむかし。私は鹿児島で青春時代を過ごしていた。いろんなことをやってた。


美術クラブでは、油絵を描いてた。好きなのは意外に静物画。


そこに天敵のヤツがいた。一度もクラスが一緒じゃなかったのに、ナゼカ私にカラム。

メンドクセーヤツ。オンコー?な私もキレてた。まあ。はっきり言えば、仲が悪かった。



不思議な彼女はそのメンドクセ—ヤツ。の奥さん。になっていた。

同級生同士で結婚してたのだ。


私は「飲み放題」といふことばに弱い。

それに、東京のど真ん中で繰り広げられる懐かしい鹿児島弁オンリーの会話もここちよい。

シャンパン。ワイン。ジントニック。ワイン。ワイン。と次々と飲んだので、彼女に絡んでミタ。


復讐??。ははははは。笑いながら絡んでミル。


でも。彼女から出て来たコトバとモノガタリは、意外にも感動的だった。

私がジツは大きな誤解をしてたのかもしれん。そんな気持ちになっていった。



コレからイイ話しをする。皆さんはアタマの中で平井堅の「瞳を閉じて」をBGMにして聴いて欲しい。


それを希望する。じゃ。スタート。




(回想シーン)





昔。九州の地方都市。主人公の私はセーラー服の女子高校生。

ノーマルな昔のセーラー服。をノーマルに着てる。

高校は地方では有名な進学校。

家が遠くて学校まではバス通学。


但し、きのうは、真面目な私が雨の日の渋滞にハマって遅刻してしまった。

家遠いからな。そんな言われたのがなんだかムカつく。


だから、いい天気だったけれど、今日は、やたら早い時間のバスに乗ってみた。


バスが学校の近くに着いた。澄んだ空気を吸ったアト。校門に一礼してハイル。

まだ、ヒトケがない。で。まだ、暗い教室に入る。






だれもいない教室。

あける。


ん?ひとりいた。痩せた同級生。

彼は暗い教室で勉強してる。びっくりした。沈黙の時間。

その日はそれで終った。

時間の経過とともにいつも通りの教室に戻っていく。



次の日。さらに早いバスに乗った。

なんかヤツに勝ちたい。

今日こそ一番乗りだ。教室のドアをガラガラと開けた。


ん。ん。また、アイツがいる。こんなに早く。


更に次の日。今日は勝つ。更に、もう一本早いバスに乗った。

今日こそ私がいちばん。ドアをあける。


え。アイツがいた。



そうしてるうちに、アイツと話しをするようになった。

アイツは性格は偏屈。皮肉屋。でも勉強はデキル。


次第に早朝の教室は毎日毎日勉強を教えて貰う場所になった。

でも、そのまま変わったことはなかった。


但し、帰り道。なんとなく私を待ってるトキがあるのは、ワカッテタ。


そして受験。


なんとアイツは、現役で東大に行った。私は地元の大学に通った。



そして、普通の大学生活を送っていた。


ヤツからは、年賀状となぜか暑中見舞いが届く。年に2回だけ。そんな関係。


これは、大学を卒業しても同じペース。年に2回の年賀状となぜか暑中見舞い。


ヤツは、大学を卒業してあるメーカーに就職した。



26歳になった時だった。いろんなことを考えてた夏。

ヤツからの暑中見舞いが届いた。

なぜか、その時だけ、あいたいね。と返事を書いてしまった。

そしたら、スグにヤツから連絡が来た。会うことになった。





そのうち、ヤツは毎月東京から鹿児島に飛行機で来るようになった。

オカネの負担もたいへんだろうな。と思ってたトキ。

たまたま、いい条件のお見合いの話しがキタ。

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