貴裕はどうやって拓人になったか

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著者: 對馬 貴裕


そして話題にもせずさらっと流して終わった。


今思えば青春の1ページ。




3回目の初めては中1。


シャワー使用。


まさに目の前が“真っ白になる”という体験だった。


それから少しの間はシャワーを使っていたけれど、時間も水も使うので怪しまれるだろうという判断から断念。


場所をトイレの中へと移していくことになる。


そうなるともちろんシャワーは使えなくなる。


手ですることを覚えるようになっていくことに。


最初は痛くてダメだった。


でもだんだん慣れてきて…。






高校は地元でも有名な男子校に入学。


噂はごくたまに聞くだけで、実際には何一つ経験できなかった。


その代わり。


駅前のファッションビルが改装されてできた大きな本屋さんに入り浸るようになる。


そこには今まで踏み入れたくてもなかなかできなかった未知の世界が広がっていたから。


コミックコーナーの一番奥にあったのは、“耽美”のコーナー。


その時はまだ立ち読みし放題だったから、どんどん手に取っては興奮して…を繰り返していた。


勇気を出して1冊買ってからどんどんハマっていった。


一時期5冊くらい持っていたのではなかったか。


バレるとマズいから、カバーを裏返しにして、鍵のついた引き出しのできるだけ奥に締まっておいてた。


高校に入ると、週1というのが習慣というかルールになっていた。


その度に鍵を開けては禁断の世界に耽っていった。


ちなみにそのうち、前だけでは物足りなくなり、後ろにもどんどん興味が湧くようになる。


後はご想像にお任せ。




唯一後ろに関するエピソードがある。


高2の確か冬。


中間試験の最中。


その日は試験1日目で早く帰ってきて勉強をしてた。


だけど、ふとイキヌキしようと思った。


その時はもう普通に使えるようになっていたから、頑張って昇り詰めたワケで。


それはもう、頑張り過ぎてコトが済んでも体がうずきまくる程に。


「こんなに凄いんだぁ」と感心しながら再び勉強に戻るものの、一向にうずきが収まらない。


もしやと思って体温計を探して、待つこと数分。




発熱していた。




その後3日間にわたって激しく高熱にうなされて、目の前が黄色くなる程強い注射を打たれて、ようやく回復する。


医者には、後ろから自分を慰めた直後に発熱した等とは言えるはずもなく、とにかく原因不明の発熱として処理された。




後から友達を介して医療関係の人に聞いたところ、そんなコトをした後に発熱するという症例は無いらしく、たまたま疲れが重なっただけなのでは?という結論になった。


で、さらにその後に聞いた(というか読んだ)話によると、女の子で初めての後には発熱するというケースがあるらしく、自分の時もそれと似ていたのか?


と今は思っている。




話は少し戻って、高2の夏。


家と高校の中間地点に、今まで知ってるものとは違う本屋がオープンした。


半分以上が読者を18歳以上に限ったもので、本だけではなくDVD等も取り扱っていた。


イロイロある中に、あの分厚い雑誌も並んでいた。


行き着けの本屋さんにもあったことはあったけれど、店員さんは顔見知りだったから立ち読みもできず、買うこと等有り得ない状況だった。


そういう時に見つけた雑誌だったから、こそこそ立ち読みをしに行っていた。


この時にはまだ買うまでには至らなかったのだが。


ただ、どうやら市内にその世界の商品を扱うショップがあるらしいという情報を掴んで、行ってみようということになった。




真夏の休日。


まずはその本屋に行って雑誌の後ろにある広告ページで確認。


即移動。

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