高木教育センターのありふれた日々(6)

2 / 5 ページ

 とか

「頭のスッカラカンの男子は、近寄るな!って感じ」

 とか、私の前では言いたい放題だ。

 

「学力と基本的生活態度って一致する。例外に会ったことない!」

 と言う。要するに、ランクの下の高校や大学の子とはつきあわないということらしい。もちろん、中学校の左翼教師が

「学力が全てではないよ」

 なんて言葉には耳を貸さない。難関高、難関大受験生にとっては、学力が全てなのだ。アホな男子は教師の言うことを真に受けて、女子にアプローチをかけるみたいだけど、女子の本心は厳しいよ。

  稼ぎの良いオスを見つけないと、安心して子育てができないことを本能的に察知している。だから、塾講師としては

「女子はこんなこと言ってる。ランクの上の大学をめざさないと結婚できないよ」

 と本当のことを言う。間違っても学校の教師のように「学力が全てではないよ」なんて言わない。ウソなんだから。就職のときだって、結婚のときだって、学歴はつきまとう。それは間違いだ、おかしいと言うのは賛成するが、現実を無視しても仕方ない。

 上記のような女子に

「学歴にこだわるのは間違いだから、Fランク大卒のボクとつきあえ!」

 なんて言って、通用すると思う?

「頭スッカラカンのボケ!」

 と内心思いつつ、ニッコリ

「ごめんなさい」

 と微笑むことだろう。醜い?差別?そんなことはない。彼女たちの選択の自由を尊重すべきだろう。勉強でダメなら、金儲けとか、何かで女子にアピールしなきゃ、良い女子をつかまえるのは無理でしょ。

 高級品みたいな女子の背後には、たいてい勉強熱心な父親・母親がついている。キミがFランク大卒だと、

「こいつは怠け者だ。とても娘はやれない!」

 と言われるのがオチ。別に酷くないよ。会社の就職試験で同じ扱いをされるのだから。

 賢い女子が共通して言うのは

「頑張ってあんなスッカラカンでは救いがないし、頑張らないならよけいにダメだし」

 というセリフ。スポーツでも芸術でも商売でも、何でもいいのだ。頑張ったらそれなりの結果がでる。なんの成果も出せないと、メスは優秀なオスだと認めない。たぶん、良い遺伝子を残さないと人類が滅びるので本能に刷り込まれているらしい。

 ここにお茶の水女子大の過去問がある。

lim(x→π)[√(a+cosx)-b]/(x-π)^2=1/4(√はcosxまで)

となるように定数a,bを定めよ

 という問題がある。私の塾生の理系女子なら単なる計算問題だからサッサと計算すると思う。もし、困っているようなら

「分母が0になるのだからね」

 と言えば、

「アッ、そうか!」

 となる。ならなかったら、

「分子は有利化すればね」

 で終わる。それでもダメなら

「三角関数の極限なら sinθ/θを使うに決まってるから半角の公式でしょ」

 と言う。私にここまで言わせたらアウトです。でも、勉強していない子だと、

「なんで分母が0だと分子も0ですか?」

「分母の有利化なら中学校でやったけど」

「半角の公式ってなんですか?」

 とか言う。すると、公式の解説になってしまう。上記3点の解説などしていたら90分かけて1つの計算問題を解くことになってしまう。そんなことになったら、理系女子は

「ふざけんじゃねぇ。こっちは寝る時間削って時間作ってんだよぉ!」

「授業料払うために母さんが頑張ってんのに、時間を浪費しやがって!」

 と思うに決まっている。こんな男子が告白してきたら、

「ふざけんじゃねぇよ!」

 と思う気持ちが分かるだろうか。私は分かる。だから、彼女たちの信頼を得られるのだろうと思う。高級品は値段が高い。こんな告白は、フランス料理のフルコースに100円払おうとしているようなものだろう。少なくとも、理系女子の多くはそう感じる。

  この状況で、地元の教師は「助け合い」「絆」などと、言う。

「ふざんけんじゃねぇよ」

「こんなのは、怠け者をつけあがらせるだけじゃねぇか!」

としか思えない。      a=2 b=1

  塾講師も大きなことを言えない。ためしに、上記の問題を自分の塾講師に質問してみればいい。私の経験から言うと、半分くらいの講師は即答できない。泳げない人が水泳コーチをしている状態は、あちこちで見られるのだ。

  英語に関しても、同じこと。英語が話せないのに英語の先生している人が多いよ。

 

第五十四章

lim(x→π)[√(a+cosx)-b]/(x-π)^2=1/4」(2)

  ここに宿題をちゃんとやる「よい子」が伸び悩む理由がある。

「確定値がある場合、分母が0なら分子も0」

 と言われたら、素直に

「ハイ」

 と言う。この宿題をやれと言われたら「ハイ」と言う。素直なのはいいけれど、「なぜ?」と考えない。先生に指示されたのに「なぜ?」と言い返すのに抵抗がある。そうして、理由も分からずに勉強していると、そのうち自分が何をやっているのか分からなくなる。

「なんで分母の有利化、分子の有利化をするのか」

著者のキョウダイ セブンさんに人生相談を申込む

著者のキョウダイ セブンさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。