高木教育センターのありふれた日々(6)

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「自分より賢く、自分より収入が上で、自分より背が高い人でないとつきあわない」

  だいぶん前に流行った「3高」というのは、まだ生きている。というか、永遠に生き残るでしょう。あるグループの女性にとっては。自分が四日市高校や桑名高校のトップクラスということは、それ以上と言えば「東大」「京大」「阪大」「名大」、あるいは国立大「医学部」くらいでないと認めないということ。

 そして、大学を卒業したら高収入の安定した仕事。かつ、身長が170cm以上。そんな条件に合致する男性ってきわめて少ない。私はダメでしょうね(笑)。草食系男子と言われた頃から、男子生徒が覇気を失った気がする。最近は、塾内の上位層が女子ばかり。

  本日の質問はこれだった。

放物線y=x^2-1が直線y=a+bとy>0の範囲で相異なる2つの共有点をもつとする。このような(a,b)の範囲を図示せよ。

 この問題は、一見「共有点」つまり放物線と直線の交点のy座標がx軸の上方にあるように問題の設定がしてある。しかし、ベストの解答は固定されている放物線のx軸方向の範囲を出して連立方程式の解の配置の問題としてとらえると楽。

 例の、軸、判別式、端点のチェックの問題だ。

  こういう話を個人指導ならスムーズにいくが、クラスで話すと

「y座標でやってみてください」

「端点ってなんですか?」

 といろいろ質問がでることがある。すると、優秀な理系女子は黙って問題集を解きはじめる。たぶん、

「くだらぬ質問で、私の貴重な勉強時間をつぶすんじゃねぇ!」

 と思っている。金輪際、こんな男は相手にしないと決意している。

 

 塾の看板生徒に呆れられたら困るので、あまりにレベルの低い質問をする生徒には優秀な女子と一緒に指導できない。自然と、そういう女子の周囲には優秀な男子しかいなくなる。

  よく誤解されるので、彼女たちのために解説しておきたい。彼女たちは、たとえば研究医になって難病で苦しんでいる人を救いたいと考えている。その研究を行うためには旧帝のように豊富な研究費のある大学に行かなければならない。また、プライベートな生活も生活に追われるようでは研究に打ち込めない。

 そういう事情を理解できる相手というと、妄想を抱いた左翼の人や、清く正しく貧しくでは困るわけだ。

「y座標でやってみてください」

「端点ってなんですか?」

 こういう質問をする男子を軽蔑するのは、勉強ができないというのではなくて

「なんで、わざわざベストでない方法を試して時間とエネルギーを浪費するのだ」

 とイライラするのだ。

「これが一番おいしいレシピ」

 と分かっているのに、なんでマズイと分かっているレシピ試すのか。バカとしかいいようがない。そういう意味だ。意味のあるチャレンジは好ましいが、ただの時間の無駄使いは許せない。

  第六十章

「絶対にこの町から出ていく!」

  高校生のクラスは常時満席。お問い合わせはありがたいですが、現在外部からの入塾は出来ない状態でご迷惑をおかけしております。入塾を希望される方は、中学クラスから始めていただき継続生として持ち上がる道しかありません。

「なんで、こんなことになったのだろう?」

 と分析している。他塾と異なる点は何だろう。一生懸命にやってきただけであまり考えて来なかった。よく give & take というが、経営は give & give くらいでちょうどいい。経営優先で差別化ばかり考えると、塾生の方も保護者の方もすぐ気づく。

 ひたすら授業の改善に突き進むと、自然に結果がついてくる。よく言われることだ。

 四日市合格者数     
                     H27   H26             
1、陵成中学校(桑名市)      16    23
2、光陵中学校(桑名市)      24     9

3、藤原中学校(いなべ市)      6     6

4、東員第一中(員弁郡)        3     4

5、員弁中学校(いなべ市)      1     4
 高木教育センター          2     3 

6、 大安中学校 (いなべ市)     4     2

7、東員第二中 (員弁郡)       1   1
  北勢中学校(いなべ市)       1   1 

  この結果を見て、北勢町と東員町以外の町の中学生は

「北中(二中)の生徒はアホばっか!」

 と言っている。地元の優秀な生徒は

「バカと一緒にされたくない」

「こんな町は絶対に出ていく!」

 と言っている。日沖市長はご存知なのだろうか。過疎がさらに進む。有能な子はみんなこの町を捨てていく。

  私も10年ほど前から

「この町はもうダメだ」

 と思い、中学生主体の塾から高校生主体の塾に移行していくことを決めた。その予測どおりに推移している。中学生クラスは維持するけれど、やる気のある子限定。ここでは、Cランク高校は定員割れしていて

「名前を書いたら合格する」

 と生徒がバカにしている。勉強しなくても合格するのだから、塾に行くはずがない。真剣に勉強しているのは「四日市高校」「桑名高校」「川越高校」という進学校をめざす子だけ。上位の2割くらい。あとの8割は遊んでいる。勉強そっちのけでクラブと称して遊んでばかりいる。

 高校生クラスが満席になったら

「通塾クラスが満席なら、せめて添削だけでも」

 との要請があったので、通信生を募集したら北海道から九州まで生徒が増えて驚いた。ネット社会の普及に乗っただけだけど。今年は、京都大学にチャレンジする子が10名を越えそう。

 それで、気がついた(続く)

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