1km走って足がつっていた僕が、東海道53次を走ったら、ゴビマラソン250kmまで完走して世界一になった話。

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振り返ってみれば、そのサハラマラソンのトークライブで

僕は胸に小さな火種を受け取っていたのだ。


ただ、そのときはその火種の存在に気づくよしもなく、

懇親会でいつもの通り美味しいビールを飲みながら楽しく過ごし、

そしていつもの日常に戻っていった。





その2.「僕たちのイベントに出てみませんか?」



次の出来事は中目黒のプライベートダイニングだった。


ひなのちゃんが開いてくれた「嫌われる勇気の読書会」。


「嫌われる勇気」は僕の人生に強烈なインパクトを与えたベスト10に入る本。


より理解を深めるために参加した読書会でした。


そんな中、この前のサハラトークライブでフィニッシャーとして話していた

おとしさんもひなのちゃんの友達だったつながりで参加していた。


憧れの人に再会できて、僕はまた嬉しかった。


読書会では非常に有意義な学びのシェアができ、密度の濃い時間を過ごせた。


そしてその帰り道、おとしさんがこんな話をした。


「サハラマラソンの感動を日本でも体験できるように、

僕たちがステージレースというイベントを作るんです。

今度出てみませんか?」


「うーーーん、興味はあるけど、そんな長い距離走れないし。。」


「走れなくても、歩きでも参加できるイベントなんで。

よかったら来てくださいね。」


(ふーん、あの憧れのサハラマラソンの感動を日本でも味わえるのか・・)


その日はそんな話だけで終わった。



そしてまた別の日。


そのステージレースの練習会というのをやるという。

距離は25kmくらい?

しかも、スタート地点は地元の茅ヶ崎だ。


(うーむー。25kmなんて走ったことない。

なんとか7kmはこの前走れたけれど。

不安だけど、せっかくの機会だしなぁ。。)


よくわからないまま、参加することにした。


始まってみたら今日は歩きでいいという。

ちょっと安心した。



歩きと思って舐めていたけれど、

茅ヶ崎から鎌倉までたどり着いたときには結構疲れた。


でも小町通りを食べ歩きしながら楽しめたし、

一緒に歩いているペロちゃん、山さん、ヤニーナちゃん、タカさんとも

いつの間にか仲良くなっていた。


鎌倉の先の峠を超え、途中から飛び入りでサクラも加わり、

足も痛いけれど、なんだかんだ楽しく夕方には野島キャンプ場についた。


なんと27kmを歩いたのだった。

(うぁ~・・・僕にもできたんだぁ。。)


ちょっと無理かもしれないと思っていた距離を

歩きだったけれど、達成したことが嬉しかった。


その日の夜は熱いバーベキューと熱い話で過ごした。

忘れられない日となった。



そんな練習会で達成できたことが後押しをしてくれて、

ついにあの「東海道五十三次ウルトラマラニック」に

参加することに決めたのだった。





その3.(もうダメだ。。)


(27km歩けたんだ。大丈夫だったし。

だから、もう少し距離が伸びてもいけるだろう。)


東海道五十三次ウルトラマラニック(略して東海道UM)のステージ1は

日本橋から戸塚までの43kmだった。



(うわー、フルマラソンなんても走ったことないのに、

その距離超えてるやん。)


そんなことできるのか?

でももしできたらすごいなぁ。


不安と楽しみが入り混じった気持ちでスタートした。

当然ウォークでの参加だった。


参加メンバーに見知った顔も多く、楽しくおしゃべりしながら進んでいった。


東京のど真ん中から歩き始め、品川、川崎、横浜へと。

7月の日中。飲んでも飲んでも汗となり喉が渇く。

猛烈に暑い日だった。


それでも、朝8時からスタートして日が暮れるまで歩き続けた。


そしてついに、戸塚駅までたどり着いた。

人生で始めてフルマラソンの距離を超えた経験をした。


当然ながら、足が結構痛くなっていた。

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