高木教育センターのありふれた日々(15)

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 と、いう善意の人もいた。

  生徒が四日市高校や京都大学に合格したことを発表したら

「そんなことしたら、バカは教えないみたいで感じ悪い」

  なのに、娘さんが急病になったら、その「やめろ!」コールを浴びせていた“変わった”伊藤先生のような人に助けてくれるように懇願する。勝手なものだ。

  お陰様で、一方に私のような人間を支持してくれる中学生や高校生はいつの時代にもいてくれたので、この塾は30年以上続いている。ありがたいことだ。

  皆さんは、ケーキ作りの上手な人、歌のうまい人、マンガを描く達人など、さまざまな人がいてくれてよかったでしょう?左翼の教師が言うような、スポーツも少しでき、勉強もちょっとでき、人間関係に配慮する「バランスのとれた」人ばかりでは世界はつまらない。

  私は「ゆがんだ人」が好きだ。

みんな違っていい。違うのがいい。ケーキ屋さんは三角関数など必要ない。漫画家はスケートができなくていい。芸人は勉強ができないネタで生きている人もいる。

  バランスが取れているというのは、何もできないことを別の言い方をしただけ。左翼教師が望んでいるのは、何もできない同じタイプの人の大量生産。そんな社会はソ連のように崩壊するし、面白くない。

  多くの保護者の方たちは、自分の子供に

「先生の言うことをよく聞きなさい」

 と言いながら、自分の子どもを「何もできない役立たず」になるように後押ししている

  企業が生き残るためには「差別化」、つまり他の企業と違うことを打ち出さなければならない。個人レベルでも、自分はライバルと違うことを明確にしないと出世できない。「違う」ことに価値がある。

  ところが、学校では

「人と違うことをするんじゃない!」

  と、和を重んじた指導を強調する。特に、左翼の先生はそうだ。このような教育を受けると、社会に出て生きていけない。

第百四十九章

「スクール・レヴォリューション」

「高木、どこでもええから絶対に私立を1校受けよよな」

「でも、先生、ボクんちは私立に行ける状況じゃないんですよ」

「ええから、どこでもいいから1校受けるんじゃ。ええな」

「・・・・・・」

(結局、私立に行ける経済状況ではないのに受験させられた)

「こんなのは心理学と言えない」

「でも、統計以外は全部『優』なんだし・・・」

(大学院は、筆記試験が受かって面接で落とされるレア・ケース)

「社長、昨日の担当生徒の保護者が、『あんたんとこの営業の人にうまい子と言われて買ったこの教材アカンわ!』と言ってみえましたが・・・」

「それで、オマエはあっさり引き下がったのか!営業が汗まみれで売ってきたものを」

(社長に口答えをしたら会社にいられず、退職)

「帰国したら仕事はどうするの?」

「中京地区なら、名古屋大卒とアメリカ暮らしで塾か予備校講師の口くらいある」

「そうだね」

「なんで、7通も履歴書を送って返事が1つもないんだ?」

(26歳で、失業、資格なし、貯金なし、彼女なしで、地元で塾を始める)

「なんで英語ペラペラで、受験英語もトップクラスで英検1級に落ちるんだ!」

「こんなの合格しなくても英語講師くらいできる。なんだ、この試験はクソだ!」

(一次合格、二次不合格を経て、最後に合格)

「もしもし、高木塾さんですか。さっき、A塾の人が来て『高木塾はもうすぐ閉鎖するのでうちに移って来なさい』と言ってみえましたが、閉鎖するんですか?」

「はぁ?いや、そんな予定はないですけれども・・・・」

(A塾はその後に撤退)

「私どもの銀行は、大規模塾は勝ち組、おたくのような個人塾は負け組みと認識しております。融資はできかねます」

「それって、あなた個人の認識ではなくこの銀行の認識なんですね?」

(別の銀行の融資を受けることに。この銀行は他の大規模銀行に吸収合併された)

「名古屋大学まで出て、なんで小さな塾をやってんの?名大卒なんて、ウソやろ?」

「本当ですけど・・・」

「確か、名大に教育学部なんて無い」

「ありますけど、」

(結局、結婚式には出席してもらえなかった)

「えらっそうに!京大8割って、2割間違えたんやろぉが」

「いや、京大の問題は○×式ではなくて、英作文だから最高点でも8割ちょいなんですよ」

(何も分かっていない人に答ええるのは疲れる)

 学校に関する問題点はいろいろあるが、緊急を要するのは次の3点。

  • クラブ活動の自由化

  • 学区の緩和により競争の促進

  • 隠蔽体質の除去

  •  

  • クラブ活動の自由化

  • 現役教師の方のブログ→https://clubdemise.wordpress.com/

    私がかねがね主張しているように、スポーツや文化活動を学校単位、企業単位でやることに無理があるのです。地域社会がそれを支える仕組みを創る必要があります。よって、大会も学校単位ではいけません。

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