後悔だらけの高校時代~ひでお物語~

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著者: なかむら ひでお

勇気がなくて、恋が発展しないことがこのころたくさんあった気がする。





2年のときに陸上部の1年のマネージャーと少しいい感じになっていた。


帰る方向が同じで、時々一緒に帰った。


最初はたまたま同じで、ついでに話をしてた感じだったけど、


早めに帰ったときは途中で待ち伏せしてた。


もちろん偶然みたいにして。


そんなときに、別の高校に行った中学時代の同級生に見られたりして、


ひやかされたりして・・。




それもまたよかったりして。





踏み切りで別れるところで長話をしてた。


家に帰るにはちょっと遠回りだったんだけどね。


こういうのが「付き合う」っていうのかなってそんな風に思ってたころ、事件がおきた。






部活が終わって、いつものように帰っていた。


学校の近くだったので、まだ二人きりというわけではなかったけど、


なんとなく距離をあけて自分は後ろを歩いていた。


そしたらそこに3年の先輩がきた。


みるとなにやらプレゼントを渡している。


修学旅行にいってお土産のようだった。


傍らを過ぎていくとき、「付き合おう」とかなんとか聞こえたきがした。


そして、その子がちらりとこちらを見た気がした。


ひでお少年は、ただ通り過ぎた。




その日から帰り道が一緒になることはなかった。




―――その先輩と付き合い始めたらしいということをあとで聞いたし、


後年には、その先輩と結婚したということも聞いた。


いったい、俺ってなんだったのかなと今でも思う。





3年になると、陸上部も引退して、放課後は教室から部活の様子を眺めていたりした。


そんなときは教室で受験勉強をするのだけど、そこにもうひとり女の子がいた。



その子もおなじ陸上部だった。



一緒に勉強していた感じだけど、席は離れていた。


ときどきしゃべった。


で、あるときその子がうとうとと机で居眠りをして、そのままうつぶせになっていた。



ひでお少年はいたずら心に消しゴムをその子に投げつけた。



けど、はずれた。


仕方なくとりに行く途中でその子の寝顔をみた。




・・・・・・ドキッとした。




そして、ほっぺたを指で押してみた。




やわらかーーい。




淡い青春の思い出のひとつ。




後年、その子が俺のことをずっと好きだったらしいとほかのやつから聞いた。


はやく言ってよー



そんな後悔だらけの高校時代もやがて終わりを告げる。




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大学合格の軌跡 奇跡 前編~ひでお物語~