Two feelings 1章[光の声]
「それは、はい。」
「まぁ、いい。ところでお前は何処から来た?」
僕は知っていることを全て告げた。僕。椎名 遥がここに来る前のこと、神様に会っていたこと。
「そうか。君は優しい人だったんだね」
「と、言うと?」
「ここの世界に来るには2つしかルートがないことだ。1つは自分から命を絶った人。2つ目はそれ以外で死んだ時、神様が仕分けてる」
「聞かれたことはどっちで生まれ変わりたいかだからね」
フェルア様はペンをスラスラを走らせる。そして1枚の紙切れを僕に手渡した。
「今日の話しはここまでだ。とりあえずフェルア街の入街証を渡しておく。これがあればこの街からは追い出されない。」
「はい。ありがとうございます。」
「ほいほい。じゃあ気をつけて帰れ。」
そう言ったフェルア様は積まれている本に手を伸ばしていた。
「失礼しました。」
バタン。
僕は、ドアを閉めて正面を向くと。
「フェルア様はなんて?」
「わぁ!びっくりしたー。」
「いちいち驚くな。で?」
僕は新屋田にこの街に居て良いと言われたことを話した。
「そうか。それは良かったな。じゃあ俺はここで失礼する。達者でな」
「ちょっ!」
僕が止めようとしたがすでに遅かった。
「1人でなにすればいいのー?」
心の中の声が出てしまった。誰もいない。
(ん〜。お金もないし。)
ガタガタガタ。
「さっきの少年かな?」
「あ、はい。そうです」
お屋敷の執事が僕を心配して来てくれたようだ。
「新屋田さんは無責任ですからねぇ。すいません。」
「いや、そんな謝られてても」
執事は笑顔で僕と話してくれる。なんて優しい人なんだろうか。
「よろしければお風呂に入ってはいかがでしょうか?その服はもうボロボロですよ。」
「いいんですか?こんな知らない人にお風呂なんか」
「構いません。さぁ、案内致します。こちらへ」
僕は執事の後をついて行った。
「ねぇ、執事さんはどうやってこの世界に?」
「はて、なんのことやら。私にはわかりませんな」
「そうですか」
お風呂に到着すると執事は笑顔で戻っていく。
「ごゆっくり。お着替えはこちらで用意させていただきます。」
僕は、着ている服をさっと脱いでお風呂に入った。
そして入った瞬間、広い露天風呂が僕の視界に入ってくる。
「ひ、広い!しかも露天風呂なんて」
驚きつつも、僕は頭と身体を洗い始めた。シャンプーとボディソープ。柑橘系の香り。
バシャア
(生き返る)
ほっと一息。そしてふと思った。
(で?この後は?)
ガラララ
「だっ誰?!」
「先客がいらっしゃったのですね。」
入ってきたのはまだ若い青年だった。しかし、喋り方からしてとても偉い人だとわかる。
「で、君は何故ここに?」
「執事さんがですね、その。」
「あぁ。執事ね。それならいいよ。」
そう言って若い青年は身体を洗い始める。
「私の名前はリアスだ。君の名前は?」
「椎名 遥です」
ガタン。カラン。
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