三大太郎

著者: 鎌田 隆寛

納得いかない。納得いかないよ。


何がって、浦島太郎ですよ。


いや、ここ最近 TSUTAYAで「マンガ日本昔話」を借りてきて、はな垂れ小僧真っ盛りの長男と観てるんですけどね。


その時に、ふと思ったんですよ。


「日本の三大太郎」と言えば、


桃太郎
金太郎
そして、浦島太郎


じゃないですか。


auのCM見ても分かる通り。


桃太郎は、


「果物出身の勇者が、きびだんごで言いくるめた鳥獣共と、即席のパーティ組んでボスを倒しに行く、古典的ドラクエ」


うん。まあいい。


次、金太郎。


「武士の坂田金時が、幼少時代に木で橋をかけたり、悪い熊を投げ飛ばしたりしたっつーエピソード1」


まあいいだろうさ。


で、問題の浦島太郎。


「子供にいじめられてた亀を助けたら、竜宮城に招待され、そこで乙姫っつーママにウハウハで接待されて家に帰ったら、すげー時間経っちゃってて、あまりに凹んだもんだから『お土産だけど開けちゃダメ』って乙姫さんに貰った意味分からん箱開けたら、一気に老けた漁師のお話」


ってオイ。


もうなんつーか突っ込みどころ満載だよね。


黒ひげ危機一髪くらい、突っ込みどころ満載。


まず悪役。


桃太郎「鬼」
金太郎「熊」
浦島太郎「いじめっ子」


ておま。


スケールちっさ。てか悪役自分より弱いし。


「巨大ザメ」とかさ。

「クラーケン」とかさ。


もっとなんかなかったんかね。助けるのも亀とかじゃなくて人魚とかさ。


なんなら亀の化け物にさらわれた姫とか。あ、それじゃピーチ姫になっちゃうか。


で、竜宮城も海底にあったんだよね?


呼吸とかさ。

水圧とかさ。


色々問題あるんだからさ。亀さんも、もう少し相手見て招待しようよ。言っとくけど浦島さん肺呼吸だかんね。


ホイホイついてく浦島さんも浦島さんなんだけどさ。二丁目界隈のキャッチについてく酔っ払いじゃないんだから。


繰り返すけど君肺呼吸だかんね。もって2分くらいだよ普通わ。


で、一番の問題は君だよ。君。


音姫。


じゃねえ乙姫。


亀助けた浦島さんに対する仕打ちが酷すぎ。滑稽な程に酷刑ですよコレ。


竜宮城の1年ってさ。地上の100年なんでしょ?


それ伝えてあげようよー。


事前に伝えてあげようよー浦島さんに。


「時間の流れ100倍なんだけど、よかったらちょっと飲んでく?」的な。


浦島さん 3分でビール一杯グイッとやって帰ってたかもしんないじゃん。まあそれでも5時間コースなんですけどね。


あとなにアレ。


玉手箱。


「決して開けてはいけません」


いるかそんな箱。


荷物になるだけだろーが。


あ、それともアレか!?


ダチョウ倶楽部。


「押すなよ、押すなよ」ってアレ。

あえて「開けないで」って言って開けたくさせるとか。


で、引っかかった浦島さんがボワンと一気に老化する、と。


性悪か。


きっちり恩を仇で耳揃えて返しとるやんけ。


「これ、お饅頭なんですけど、腐ってて腹壊すから食べないでね」ってプレゼントしたようなもんですよ。


いやーもはや鬼ですよね。桃太郎に退治されても文句は言えないよ。


というわけで、浦島さんのところで、昔話によくある「教訓」を血眼になって探してみたのですが、ちょっと浦島さんのところでは色々問題山積みなので、明確なものを見つけられていないのです。


強いて言えば、「昔話には教訓がないものもある」ってのが教訓ですかね。


とりあえず納得いかないので、俺の中の「日本三大太郎」は


桃太郎
金太郎
空条承太郎


に決定。


著者の鎌田 隆寛さんに人生相談を申込む