恋愛コンプレックスがくれたご褒美

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レールを用意し、全て己の希望や理想通りになるように

僕をコントロールしていたわけで。

余計に存在がデカい。

支配下ということは、逆らえない、を意味する。

母親は僕の受験時代

非常にヒステリックな感情爆発を頻繁に起こしていた。

特に、成績が彼女の欲求を満たさない場合には

体罰が加えられた。

僕はよくそれで、腕を脱臼して

仕方なく自分で嵌め治していた記憶がある。

しかしながら実際のところ僕はおしなべて

母親の欲望や自己顕示を

優秀な成績と

受験の成功

世間体や見栄え

の達成により、次から次に叶えていた。

母親への憎しみ

イコール

無自覚なるマザコン

自分はそれが完璧に浸透している人間だ。

憎き母こそが

まさに自分の姿、なのである。

高校一年の夏

先天性腸回転異常の手術に起因する

術後性イレウス

と呼ばれる腸閉塞を患い、人生二回目の全身麻酔手術を受けた。

長期入院の療養中

父が病室を退屈せず過ごすために差し入れてくれたのをきっかけに

僕はとある、1枚の音楽CDに出会う。

そのCDのファーストトラックの

イントロを聴いた瞬間

自分は音楽の道を歩む

そう決心した。

楽器なんか何も出来ない

音楽とは、まるで無縁の身ながら

その直感は自分の中でその時

まるで、塾でよく出題されていた

国際数学オリンピックの幾何学の過去問を

正解に導くためには絶対不可欠なる

一本の補助線がひらめいた瞬間

に酷似していた。

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