facebookでメッセージを送った相手が次の日死んでしまった話 カネ無し・コネ無し・コトバ無し・英検5級で海外で仕事①

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しかしフィリピン滞在時も巨大台風を経験しているので、最悪家の屋根が飛んだり、木が道へ倒れてくるくらいだと思っていた。




何となく心配だったのでホストマザーにfacebook経由で連絡することをした。






大型の台風が来てるけど大丈夫?
ホストマザー
そうだね。とても大きい台風です。私の家に避難してきた人が沢山居ます。大きな台風じゃないことを祈ります。
なるほど。でも気をつけてね。
ホストマザー
ありがとう。貴方もいつでも気をつけてね。仕事は順調?
そうだね、忙しくていつも時間に追われているよ。
ホストマザー
もうログアウトします。近所の人が家に押し寄せて人でいっぱいです。いつでも健康に気をつけて。あなたのお母さん、お父さん、おばあちゃんも・・・
了解です。それじゃあね。 2013/11/7 21:38









・・・facebookのログには今でも2013/11/7/ 21:38 のログが記録されている。



これがホストマザーと最後の会話になり、翌日上陸史上最大の台風がフィリピン共和国レイテ島に上陸した。(895hpa 最大瞬間風速105メートル)







台風は・・・僕が住んでいた街を直撃した。

それから音信不通の日々が続いた。






8日、9日、10日と色々な情報が入る。

レイテ島に住んで居た日本人として、NHKからの取材や地元新聞の取材、共同通信の取材も受けた。










11日になると、facebookやネットニュースで現地の悲惨な状況が報告される。




11月7日からずっと緊張しっぱなしだった。「ホストファミリーはどうしたのだろう?」「働いていた役場は大丈夫だろうか?」「どれくらいの被災規模だろう?」「養殖場はどうなったのだろう?」考えれば考えるほどきりがない。


「恐らくインターネットがダウンしているので連絡の手段が無いのだろう」ホストファミリーに何か起る分けがない。人は簡単に死なないし、東日本大震災で身内が無くなった経験も無い。心配するだけ時間の無駄だろう。


しかし仕事は手につかない。

無事」ただそれだけの報告が欲しかった。


怪我をしても、家が無くなっても生きていれば何とかなる。

ずっと「無事だよ」の報告を待っていました。






そして次の日facebook経由で親戚から連絡が来ました。




ホストマザーの親戚
ホストマザーに何が起きたか知っている?
いや、分からない。メッセージを送ったが返信はまだだよ。レイテ島の現状は良く無いと思う。
ホストマザーの親戚
ホストファザーは怪我をしたよ。だけどホストマザーは亡くなった。お婆ちゃんも一緒に・・・
・・・情報をありがとう。
ホストマザーが亡くなったの?
ホストマザーが死んだの?
ホストマザーの親戚
・・・彼女は避難所へ行く途中に亡くなった。
・・・



何かの間違いだと思いました。





返信内容を考えましたが、適切な現地語が思い出せない。

いや、そもそも亡くなった現実を認めたくないのだ。





どんなことが起きたのか真実を知りたい。

頭の中は支援や救助、日本人として出来ること、色々と考えます。



慌てても仕方ない。




そうだ。

・・・フィリピンに戻ろう。





そう思いました。





続く








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