猫 pt2

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著者: 高津 諒

俺は猫だ 名前は ない

と言ったけど ニックネームってやつは あったんだ

コロ ってな 

こいつは 

前に話したかな 花園神社の じいさん猫

そう 花じい が付けたんだ

なんでも俺は 小さかったから なんだと

その年代の 普通の猫たちより ね

コロ なんて恥ずかしいだろう?

飼いならされない 野生 

レジェンドになる 猫にはふさわしくないじゃん

それに俺は あの頃より大きくなった

強くもなったんだ

だから 俺は 

花じいが死んで以来 誰にも呼ばせない コロなんて

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ここは どこだろう

暖かくて やわらかい ずっと居たくなる

まだ寝ていたい気もする

うん なんだか 疲れた

頭も回らんわ 寝よう もう少し

ここが どこか なんて 知らねーよ

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「お母さーん この猫ちゃん まだ寝てるよ?

 死んじゃわないよね?」

「美結 大丈夫よ お医者様も言ってたじゃない

 大丈夫だって もう少し寝たら 起きるんじゃないかしら」

「でもお母さん? この猫ちゃん もう3日も寝たきりだよー?

 ねーねー? この猫ちゃん このまま家で飼ってあげたいな?」

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