全盲の旅人・近ちゃんの人生物語 第2話

前話: 全盲の旅人・近ちゃんの人生物語
著者: 多鹿 真衣

小学四年生の夏休み。眼鏡を買い替えるつもりで、視力検査に行っただけなのに、


「ここじゃわからないから、大学病院に行って!」

って言われて、

モウマクシキソヘンセイショウ(網膜色素変性症)

という、聞いたこともない、長い病名を告げられた。


あと10年くらいで徐々に、目がみえなくなります


ハァ・・・?(なに言ってんの?)


そんな急に言われても、 ぜんぜん実感がわかなかった。


だから、10年後、なんて 遠い遠い未来に思えていたんだ。




幼稚園のお泊まり保育  遅くまで外でみんな楽しそうに遊んでる。


「ここにいてね」 ひとり部屋のなか座って待っていた。


なんでボクだけ?  すごく不思議だった


今思うと、ぼくは幼稚園の頃から、夕方暗くなると見えにくかったみたい。


自分では、それが普通だったから、わからなかったけど・・・。




おかぁさんも、きっとショックだったと思う。 


この病気のほとんどが遺伝


お母さんのお母さん、つまり僕のおばぁちゃんも同じ病気だったんだ


おばぁちゃんが30代のとき、六人目の末っ子としてお母さんが生まれた。


お母さんが6、7歳、つまり小学校に入る頃にはもう、おばあちゃんの視野は狭くなっていて


子どもたちが、手を引いて、歩いていたんだって。




でも、子どもである自分が 同じ病気になる可能性があることは覚悟していたけど


隔世遺伝して、まさか自分のこどもが、しかも…こんな小さいうちに、


この病名を告げられるとは思わなかったみたい


(おばあちゃんは大人になってから宣告されて、どうやら全盲ではなかったらしいし)





※この物語は、近ちゃん(近藤正紀)に代わり、代筆しております。

文章:自己開示インタビュアー&AKIRA歌を歌う人、にこにこ◎^▽^◎みかん♪
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