海外で年下サーファーに恋したアラサー女子 6話
私はずっと彼の瞳を見つめ続けていた。私の伝えたい気持ちを目いっぱいに書いた手紙。
読み終わったら、テーブルの反対側にいる彼は私の目をじっと認めてきた。
私は涙がすぐに溢れ出していた。
彼は立ち上がり私の隣にきて椅子に座っている私を両手でハグしてくれた。
泣いた状態の私に彼は
-僕はここにいるよ。大丈夫。
と久しぶりに聞けた優しい彼の声、だったけどそれしか言ってくれなかった。彼の優しさは感じたけど愛はやっぱりなかった。
せっかくの夜だから、泣いても仕方がなく泣くのを辞めて用意したDVDを見る事にした。
残念ながら、英語が少し難しいせいか掴みにくいストーリのせいか彼の疲れのせいか。。。
彼は直ぐに寝てしまった。仕方なく片付けをしながら、私の頭の中は止まらずに色々な気持ちが交互している。
何を求めているのか。なんで全てこんなタイミングなのか。
ただ、全て起こっている事に後悔する事だけだった。このまま、こんな関係が続くのは惨めすぎるとも思った。
その時ふと思ってしまった。
彼の携帯・・・。気づいたら、イヤホンが着けっぱなしの私のお古のスマホを片手にしてた。
そんなタイミングで画面にはまた、アリヤからの新着メッセージだった。
私の心臓と脳は既に何か感じてるように反応してきた。
彼の誕生日を打ってみたら、ロックが解除されてしまった。私は全身が振るえだした。
この先見てもいいのか、どうか数秒ながら考えた。でも、これ以上彼とのこんな関係を続けるのは難しいと思っていたし、どうせなら彼の事を全部知りたいと思った。
私は直ぐにアリヤからの新着メールを見た。
私は彼の事いつもわかってた。
画面を何度もスクロールしてもメッセージのはじめに辿りつかないぐらいのチャットの量だった。彼の英語は以前私に伝えていた様な甘い言葉を彼女にかけていた。
-I LOVE YOU..
黒い子の愛している子だった。私へは言えない言葉だったんだ。
沢山のお互いのセルフィー。彼の素敵な上半身ショットだってあった。
私はスマホを片手に持ってトイレで体中を震わせて、何が起こってるかわからないぐらい脳が処理できないような感覚になってた。彼を信じすぎた馬鹿が居た。
とにかく、彼はあのフィンランド人のアリヤへ特別な思いがあったようだった。
いつかフィンランドへ行きたいと言っていた意味がわかった。
ビジネスをしてお金を稼いで彼女へ会いに行きたいんだろう。
そうこうしていたら、彼のチャットを見てる事でオンラインがわかったらしくアリヤから着信があった。
私の心臓はドキドキじゃなくてオカシいぐらいだった。
長い間着信が続いた。私は深く深呼吸を何度もした。
そして、電話に出た。
―ハロゥ?
電話の向こうからは若い女性の明るい声で可愛らしく 黒い子の事を ハニー?と呼びかけていた。
-私は彼の元彼女。いつも一緒にいるの。でも、好きな様に彼と仲良くね。
と短めに伝えた。相手から電話を切られた。
頭がパンクしそうに、脳が起こっている事を処理できなくて英語もチンプンカンプンだったと思う。
電話に出たのは私の意地。プライド。
嘘つき。
もう、何もここから生まれないし終わった。気持ちが楽になったぐらいだった。
完璧に彼を忘れれる理由も見つかった。
携帯を元に戻して、眠りに付こうとした。隣で黒い子は熟睡しているだけだ。
でも、あまりにもショックが大きすぎて寝れない。数ヶ月前にお爺ちゃんが無くなったけど、やがて訪れる日には用意できていた気持ちとはありえないぐらい違って、本当に心臓発作の後の様に思えた。涙は出なかった。
私はもう一度、寝れないのを理由に携帯を見た。また心臓発作になりそうな予感だった。
やっぱり私の勘は鋭いもしくは、ただの馬鹿なのか。
ラインを開いた。ずっと前の台湾人だった。
彼は彼女にも甘い言葉をかけていた。
彼はただのチヤホヤされてる子だったのか。
彼の写真アルバムを見てみた。。。。沢山の写真の中には私がひとりも居なかった。
居たのは、アリヤとの写真。どうやら、忙しいとか電話に出れなかったのは彼女とトリップに出かけていたようだ。彼は私と居る時、どこにもトリップの計画さえしてくれた事はなかった。
彼女とは山の滝でのエキサイティングな写真や、私がいつか彼に行ってみたいって言った島に彼女を連れて行ってたようだった。
私の心は完全に砕け消えた。
ビーチでの彼女との写真の彼は久し振りに見るぐらいの一杯の笑顔と私より若いアリヤとの2ショットはとってもお似合いに見えた。
いつもの「私たちのビーチ」だったと思ってた所はアリヤとパドルボードとか楽しんでビーチ沿いのバーで楽しんだ写真もあった。
だから、私とビーチに来るとを避けてたんだ。
彼がこんなにモテるのが変に嬉しくも一瞬感じたかもしれない。
更には彼が飛行機に乗っていた写真やこの街じゃない土地の観光地の写真があった。
彼は私が一方的に分かれている間に、おばあちゃんの容態が悪く飛行機で他の都市に行ったのを思い出した。
やっぱり、そんなのオカシイって思っていた。全部知ってしまった。私は彼がとんでも男だったのをやっと気づけた。
そんな男には私だってプライドがある。
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