フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第13話

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彼女といるのは心地よかった。






パテオでホステス同士の騒動があったのは


それから間もなくだった。




ショーの打ち合わせをしていると

突然、更衣室からギャーギャーと騒ぐ声が響いてきた。


一旦レッスンを止めてショーメンバーたち何人かで


更衣室を覗くと


ミホがものすごい形相で


アキナというホステス睨みつけていた。


まだ18歳の小悪魔っぽい子だ。


やり合ったせいか2人とも髪の毛が乱れていた。


私は見たこともないような鬼の能面のような

ミホの顔に釘付けになりながらも


「ミホ、どうしたの⁉︎」


と聞いた。


「コイツが…コイツが」


ミホは息も絶え絶えだった。


「アタシの男に手出したんだよ!」


その顔が涙と鼻水でぐしゃぐしゃに濡れた。


出勤したばかりのホステスたちも固唾を飲んで見ている。


「聞いてよ!このオンナのせいでウチらはもう…」


ミホは今にも掴みかかろうとしていた。

私が何か言おうとしたとき



「ウッセーんだよ!!」


アキナが初めて声を荒げた。



「黙って聞いてれば、ババアが、ざけてんじゃねーよ!」


ミホに負けず劣らずすごい剣幕だった。


「アイツがしつっこく誘ってきたんだよ。

ずっと好きだったって。付き合ってほしいって。」


ミホが悲鳴のような叫び声をあげる。

「ウソだ!!」


「嘘じゃね〜よ!アイツ言ってたよ。お前みてーな馬鹿オンナはウンザリだって」


アキナは嘲るように吐き捨てた。


「お前のことなんか最初っから遊びだったってよ」



この子、絶対元ヤンキーだ…

いつも可愛い子ぶってるくせに。


私はミホの気も知らずそんなことを思っていると


ミホがうわあと声にならない叫び声を上げ

アキナに掴みかかった。

アキナも負けじともがいている。



「おい、お前ら、何やってんだ!!」


いつの間にか佐々木が更衣室のドアに立っていた。

すぐ後ろには玲子さんもいる。


床に倒れこんだ2人のホステスは気がつかずもみ合っている。

髪の毛も服も見るも無残に乱れていた。

ミホなどキャミソールの肩紐が取れはだけている。


「もう、やめなさい!」

玲子の鋭いトゲにある声に

ミホの手が一旦止まり、ドアの方を見る。


「もう十分でしょ、それだけ暴れたら」


玲子がそう言うと


アキナはチッと舌打ちしてミホの手を振り払った。


「アキナ、トイレで整えてきなさい。もうすぐ開店よ」


アキナはハイと答えるとやれやれという顔で立ち上がり


ミホを睨みつけると


「この勘違いオンナ」


と捨て台詞を吐いて出て行った。


ホステスたちはそそくさとその場から散った。


ボロボロに横たわっているミホが更衣室に残された。


佐々木はラウンジに向かって

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