Anniversary

著者: 杉澤 三穂

3月3日は桃の節句。この日をわが社の創立記念日にした。46年前になる。大都会の中で男性社会の中を力強く生き抜いて行くには女性に出来る最大限の力を発揮して、前向きに積極的に世の中を渡っていくこと。そう決めたのが24歳の時。26歳で個人事業から株式会社にした。たった1台の英文タイプライターからの出発。しかもその英文タイプライターは手動。新聞の英文タイピスト募集の会社(当時はいっぱいあった)にダイレクトメールを送り、海外向けの資料作成、英文のレター、国際会議の資料、輸出プロダクトのマニュアル作成とありとあらゆる海外に向けたドキュメントに特化した仕事を始めた。日本の高度成長期の真っただ中でいろいろな会社が海外に向けて事業展開を進めていこうとしているときである。24時間フル稼働でも間に合わないくらい仕事が来た。営業もしない、ダイレクトメールだけである。それから20年の間に手動のタイプライターから、電動になり、ワープロやワークステーション、パソコンとPC関連が大きく変化した。今やそのスピードに追い付けないくらいいろんなソフトやマシーンがあり、時代の流れを痛切に感じるこの頃である。

いやーいろんなことがいっぱいあったな・・・・自分の人生を振り返るとき、まさに川の流れのように、その道ははるか遠く、濁流にのまれ、果てしない山河をいくつも越え、やがてまた谷間をもくもくと歩き続け、とてつもなく広い海の向こうにたどり着いたとき、大きなため息とともに胸いっぱいの苦悩を吐き出していく。やがて、その苦しみは新しい希望となって、陽はまた昇るのである。

私は今いる海辺の街で遠くの水平線をぼんやり見つめながら、これら孤独と苦悩の日々を顧みるのである。

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