フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第36話

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暗闇の中、派手に響いている。



不審な足音に気がついたのは

路地の真ん中あたりだった。


ヒタヒタとその足音は私の足音にかぶせるかのように聞こえる。

嫌な予感がして、私は思わず速度を上げた。

その足音もそれに合わせて早くなる。

確信できた。

私は追われている。



走りながら

あ…これ、もしかして…

と思った。


似ている、すごく


この感覚

この風景


あの夢と同じだ


私には為すすべがなかった。

ただ逃げることだけ

あの手から逃れるだけ


あの黒い憎悪に満ちた手から…


私は無我夢中で走った。


こんな歩きにくいブーツでもこんなに

速く走れるんだっていうくらいの全力疾走をした。

途中でブーツの細いヒールが折れる感触がしたが

気にしている余裕すらなかった。


次の瞬間

恐れていたことが起きた

その手が私に触れてきたのだ


私は腕を取られた

私は声にならない悲鳴をあげた

必死でもがいた


その次は髪を鷲掴みにされた


やっと声が出たが

変な奇声を絞るように出しただけだ。



私は振りほどいては

捕まり、また振り解いた


細い路地の先には地下道があった。


引き返すこともできない一本道…




そしてその前には、地下道へと続く長い階段



私はこの後、わが身に起きる


恐ろしい出来事が予想できた。



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