一本の映画を撮るように、人生をプロデュースする話。(第2章:ヤツと剣道 編)

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前話: 一本の映画を撮るように、人生をプロデュースする話。(第1章:上京と音楽 編)
”無心”すぎて、「メン」としっかり言えなかった・・・


・・・その辺りから、記憶がある。




勝負はついた。


軍配が上がる。


オレの勝ちだ。



限りなく薄い紙一重。​


だが、

これが勝者と敗者を分けることになった。


23​

決勝戦を控えるオレに、

面を脱いだ”ヤツ”が語りかける。


「おまえの決勝の相手は、長身からのメンが得意だ。
相手がメンを打つ瞬間に出来る、一瞬のスキを狙っていけ。」


ヤツからのアドバイスだった。

ヤツの顔は頼もしく、そして清々しかった。

目はもちろん、”サムライのまま。”



オレは、大事な密書でも託されたかのような表情をしていたと思う。


小さく

力強く


”サムライの目”で頷いた。


24

みんながオレを応援してくれる。

ヤツもオレを応援してくれる。


”オレはココに居ていいんだ!!”


”西諫早心正会のオレ”は、
この瞬間から、
”山内神武館のオレ”になった。


仲間の期待に応えたい!

ヤツに報いたい!


無我夢中で、決勝を戦った。




決め手は”出コテ”


相手がメンを打とうとする瞬間に出来る、

一瞬の手元のスキをオレは見逃さなかった。


”優勝”




”シューズ袋を持ったままあいさつをした転校生”は、

”シューズ袋を持ったままあいさつをした剣道が強い転校生”になった。


25

先鋒と対象の信頼関係は強い方がいい。

うしろ(大将)が絶対に勝ってくれると信じているから、先鋒は暴れることが出来る。



実際、オレの戦績は、
小中と”勝ち”、さいあくでも”引き分け”が多かったと思う。

逆に大将は、
前(先鋒)が一勝してくれることが、チームと自分のさらなる士気へと繋がる。

先鋒”オレ”、 大将”ヤツ”。




中学ではさらに”いいチーム”ができあがった。

次鋒M。
こいつは学年は一コ下ながらいい剣道をする。
オレらが卒業した後、強豪ひしめき合う佐賀県大会で個人優勝するほどの男だ。

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