高卒サービス業出身の人間がWEB系プログラマで独立するまで【社会人放浪編(2)】

前話: 高卒サービス業出身の人間がWEB系プログラマで独立するまで【社会人放浪編(1)】
著者: 石田 伸太朗

何ともお粗末な転機

会社から許可をもらったので、意気揚々とバイト探しに勤しんだがこれがなかなか見つからない。そもそも、現場が入ってしまえばそちらが優先になるのでそこを考えるとあまり仕事も選べず。。。

日中仕事が入る事を信じて、深夜帯や週末の仕事を探しましたが、なかなか見つからず。。

当時を思い返すと、アルバイトが見つからなかった訳ではなく、すぐに現場が見つかるだろうと言う甘えと、どこか楽観的に構えていたのが原因で、ダラダラと現場も紹介される事もなく2~3週間程度
経過していました。ですが、そんな甘えた考えがどんなに恐ろしい事かすぐに思い知る事になります。。。

え・・・?これが現状??

自分が提供されていた寮のマンションは、他に数部屋同じ形態で生活していた人達がいました。
それを知ったのは、その日で一同に解して皆さんのお会いできたのもその日でした。どう部屋のBさんが、他の部屋の方々との話し合いに参加するとの事で、特に今、現場のない人間は集まってくれとの事でした。

主催した方の部屋におよそ、10人~20人程度集まっていたでしょうか?様々な年齢層の働き盛りの男連中が日中集まって話をするのです。議題は、、、、【われわれはこのままでは飼い殺しにされる】といった内容だったと思います。

簡単に説明すると、寮に住み続ける限り寮費というものが発生します。結構細かく分類されていて、水道光熱費は、同部屋人数分で折半。家賃ももちろん発生します。ちなみに先月、半月程現場に出れた人がいたらしいのですが、喜び勇んで明細を確認したところ明細がマイナスだったらしいです
。と言うのも、もちろん現場があってもなくても寮費は発生しておりそれは日数を追う毎に自身の借金として、加算されていきます。その分は、会社から現場を紹介され発生した賃金からいきなり返済に回されるシステムになっているようで、しかも事前協議もなく強制的に借金返済に充てられる為、マイナスの明細がいきなりどーんと、渡されるという。さらにその会社の素敵なところは、毎週(2週に一度だったかもしれせんが)前借制度もありまして、それももちろん借金として換算され、収入が発生すると返済に回されると。まぁ、会社も慈善事業な訳ではないので、至極全うな話な訳ですが、集まった方々の話では、『このままでは我々は、飼い殺しだ』と。。。

正直なところ、会社側の言い分を私は聞いていないので、返済方法や割合等はもしかすると事前協議する余地があったのかもしれませんが、当時の自分にはそんなことよりもまず「なんてところに入ってしまったんだ。。。」と言う焦りと、危機感が先立ってしまっていました。(ちなみにその会社は今でも存在するようです。個人的には、その当時で13年程前の話なので、そこまで阿漕な事をやっていたのか?は、甚だ疑問です。そんな危ない橋を渡る会社が今も残っているとはあまり思えません。当時の我々が、あまりにも無知だったのもあると思います)


一緒に行かないか?

実はマイナス明細を食らったのは、同部屋のBさんもでした。前述の話し合いの最中、まさか他にも自分のような人がいるとは思わず、内心絶句していたらしいです。話し合いでは、検討の余地(借金返済の)を設けてもらうよう、数名が会社に直談判に行くという、いわゆる決起集会的なノリになったのですが、僕らの部屋は自分を含めAさん・Bさんも長くて一ヶ月半程度しか所属していなかったのでなんか会社と話し合ってでもしがみつくと言う空気はなく、ぶっちゃけ「笹食ってるばあいじゃねー」状態でした。(パンダが柵超えしてあれな感じ)そんでもって、もう時効なんでぶっちゃけると、僕ら三人は、その1週間後に夜逃げをしました。。。Aさん・Bさんは、Bさんの知り合いの紹介で、地方の住み込みの仕事に行くとのことで、誘われたのですが「そんな所に行くぐらいなら実家にあのまま残るのと変わんないジャン」と思い、丁重にお断りしました。しかしながら同部屋の数名が消えたとあらば、その後そういう行動に出づらくなるだろうと言う事で、出て行く日はお互い同じ日にする事に決まっていました。さて、探せど探せど見つからなかった「住み込み可の職場」を数日で探さなければなりません。


腹くくるしかねーか

甘ちゃんで、どこか世の中なめ腐ってた自分は、意図的にある業種を避けて職探しをしていました。
それが、「営業職」と「パチンコ店の従業員」でした。住み込み可で無ければ、他にも選択肢や避けてた職種もあったかもしれませんが、当時は住み込み可能という第一条件の中で、この二つの職種はダントツで求人数も多かったのですが、さしたる理由もなく、完全な先入観と業務きつそう・つらそうのイメージで避けていました。しかし、数日後には根無し草・・・。四の五の言ってる場合ではなく、そのときに見た求人紙で目に留まったパチンコ店に面接の連絡をしていました。

んで、まぁ分かる人にはわかると思いますが、その日の内に面接OK。さらりと寮住まいが必要な理由を聞かれて、正直に答えてそのまま就職決定!今まで人生で、2番目に長い業種に就職したきっかけを頂いたのです。


そして、無事に夜逃げ。(厳密には、寮長が現場出勤してからすぐに出て行ったので朝逃げか・・・)


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