15年間ITの研究をしている私がStartupWeekendで2位になった話 :2

前話: 15年間ITの研究をしている私がStartupWeekendで2位になった話 :1
著者: 角岡 幹篤

これまでの話


人の役に立ちたい! イノベーションを起こしたい!
その思いでアイディアまとめて、憧れの起業家に会った!
そこで言われたことは ・・・ 「作ればいいですよ」

  うん、シンプル!!
  わかったよ!やるよ!! 作るよ!!!!

けど、どうやったら作れるんだろう??  (悩)


ハッカソン

そんなある日


■後輩の山下くん「ハッカソンやりませんか?」
なあにそれ?


シリコンバレーには、ハッカソンというものがあるらしい。
1日で製品相当を作っちゃうイベントだという。

「作る」・・・いいね!!


後輩も偉人ではないが、先人だったことがわかる。
しかし、なぜ1日なのか? もっと使えばいいのに。
その理由はすぐわかる。
部長にハッカソンやりたいと相談したらたった1日なのに反対された。


 「空気読め。」



本当にこういわれた。みんな忙しいらしい。続けて、こう言われた。



 「けど、勝手にやられたらどうしようもない。」



あい、すいません。勝手にやります。ということでひとまずクリア。
本業には支障をきたさないようにします。ホントすみません。

ってことで、次に共同作業をしてみたかった優秀な人達に参加を打診した。
こちらもやっぱり、

「1日全部かあ!参加したいけど・・・」
彼ら優秀な人たちは、既にいっぱい仕事をしていて、時間をあけることが非常に難しいらしい。優秀な皆様は、本当に引っ張りだこなんですね。。

しかし、優秀なので1日を捻出できる。さすが優秀。

我々が作ったフォーマットはこうだ。ハッカソンの1週間前に1回集まってアイディアを相談してチームを作る。ハッカソンの当日は1日とにかく作り続ける。
最後にみんなで評価して終了。
ほぼ、山下くんの調べた、Googleのやり方のとおりなんですけどね。[参考]
けれど、やはり一回、身内でやってみて、社内ならでは、参加する人のメリットが出るよう、検証して修正すべきところは修正しました。きっちりとね!

つまらないイベントにならないだろうか。。まともに動くものはできるのだろうか。不安で不安で仕方なかった。30人弱が参加してくれたが、つまらなかったら私達の信用はガタ落ちである。

・・・。


ところが、当日、驚くべき光景を目にする。

ハッカソンの成果



アプリケーションが6つ、そこには完成していた。1日で。6つ!
1年かけても議論だけで終わるプロジェクトもあるというのに!
1日というのは、いい線らしい。いろんな意味で。作ってもそれなりのものができる。ダメでも失うのはたった1日である。こいつはすごい。


ハッカソンで得られるものは以下のとおり。
  ・アイディアのMVP
  ・チームビルディングスキル
  ・他者の持つ技能の習得
  ・誰が何をできるのか、何を伝えると何が出てくるのかがわかる
  ・大事なものと不要なものの見切り
私はデザイナさんがどんなスピードで何をするのかまったく知らなくて。
私が1日かかりそうなユーザの利用イメージの絵を、ものの1分で書いてしまったとき、驚愕の一言だった。まるで魔法を見ているようだった。

スーパーハカーがどんなことをできるのかも知らなくて。
日頃使っているパワーポイントのプレゼンを、発表中に外部から書き換えちゃうみたいなことやっちゃってたり。ちびった。


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次第に、私は、この、ハッカソンという場は企業内においても、イノベーションのスタート地点にできると思うようになっていった。打ち合わせで語られる日本語の会話も大事だが、コードやデザインで語られるコミュニケーションが、技術者のコラボレーションを促進するのではないかと感じた。

細分化された業務をしている各社員の間も、業務情報そのものの情報共有はセキュリティ上難しくとも、その業務で培われた専門性を交換するのは問題ないはず。
まさに、求めていたイノベーションへの手がかりを見つけた気がした。

たぶん、これで合っている。量子力学みたいな正確性はないが、ニュートン力学程度には合ってると思う。りんごが落ちるのと同じくらい、アイディアをもつ人たちが自由に交流する場がイノベーションの土台になるというのは、当然の話だと思う。

その後


その後、ハッカソンは事業部門によって会社の公式イベントとなり、そのフォーマットの大元として、我々のフォーマットが採用された。
結果、1年で
     身内ハッカソン
     ⇒ 研究所ハッカソン
     ⇒ 全社ハッカソン  
と発展したことになる。
繰り返すが、これは、1年以内の話である。何もないところから、全社イベントができた。また、いずれのハッカソンでも、参加者はMVPを携え、生き生きとして帰っていった。素晴らしいことではないだろうか。

そうこうして、第2回の研究所ハッカソンの開催を所長に打診したところ、容易に参加許諾が出た。やはり大企業、実績がものを言う。

これにより、私は、また自分のアイディアを実現に進めることができるだろう。
自分にはできないことばかりだが、みんなの力を借りたら進められると思う。





あれ? でも、まだイノベーションは起きてないね。



そして Startup Weekend


そして、ようやく、StartupWeekend.
私はハッカソンの続きを知りたくてここに参加した。
ハッカソンは製品を作るまでのフォーマットだ。StartupWeekendはハッカソンの先を見据えたフォーマットである。作ったMVPをビジネスにするにはどうしたらいいのか。その答えがここにあると感じて参加した。
私は答えを持ち帰り、いつか、大企業の中で自分の事業をスタートアップするつもりである。偉人の起業家達と同様に、組織を作り、アイディアを事業にしていく。
そして、大企業ならではの、1兆円のビジネスを立ち上げたい。

それは、入社したときに、時の常務とした約束でもあるのだ。

私は仕事として起業をする。
それが、私を取り巻くあらゆる人にとって、最もベストなあり方だと信じている



StartupWeekendの週末が終わった今、
目標へ向けた旅の準備ができたことを実感している。

2位になった?
 そりゃ、ね。いいチームにめぐり会えたからでしょうね。
 なぜかいつも、いいチームにめぐり会えるんですよ!!
 みんなで一緒にやりましょう! 楽しい未来がみえるかもしれないですよ!

2013年12月7日16:59まで、世界大会の投票があります。
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