精神科看護師として働いていた時の衝撃的事件簿⑤人を嫌うときは必ず自分の心に問題があるって話。

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等身大の自分を見ずに、理想の姿ばかり追っていた。
看護師は優しくて、心が広くて、物事に動じなくて、怒ったり嫌ったりなんて決してしない人間。
看護師は冷静で、逞しく、いつも笑顔で苦しくても弱音を吐かず、患者の気持ちに沿う人間。
そんなことを描いてた。
今思うと、恥ずかしい・・・
そんな人間いません!!
けど喧嘩を止めれず、患者に怒鳴られ、自分も切れて怒鳴り返し、また、暴力を目の前にして恐怖を感じ、余裕がなくなった時、俺はものすごい無力感を感じた。
自分の出来なさ、無力感、患者だと分かってても怒鳴ってしまった己の未熟さ、器の小ささ・・・
高い自我理想と現実の自分の姿との大きなギャップ、それを直視したくないから患者に陰性感情を抱くことで自分に納得させていた。
「自分は悪くない、あの人が悪いんだ!あの人のせいだ!!」
日常でも良くある場面だ。
相手を理解するのってほんとに難しい。
相手の事を一生懸命考えるだけでなく、自分の感情も深く考えなくちゃいけない。
そしてその作業はとても辛い。
自分の弱い所を掘り下げ、認めて、受け入れなきゃならないから。
それをやっても相手を全部理解するなんて出来ないし。
けど、この事がきっかけで己の出来なさを認めたら、
「出来ないなりにがんばればいいや、無理せずマイペースで行こう」って気持ちになった。
そしてあれだけ嫌いだった患者は、自分にとってとても大事な存在になった。
とても大事な事を教えてくれたと感謝してる。
その人はその後病状もおさまり退院して行った。
ちなみにこの一連の心の変化を後に休憩室で主任に苦しみながら告白すると、主任はタバコを吸いながら黙って話を聞いた後「にやっ」と笑っただけだった。
あぁ、この人には絶対かないません。
心のエキスパートにしてみたら、俺の心なんておこちゃまなんでしょうねー。
そしてその後の俺はと言うと、患者にむかつくこともあるし、側に行きたくないと思う時もやっぱりある。
けど、以前より無理せずやってるから疲れや、余裕の減りも少なかったりもする。
出来ない未熟な自分に向き合うのは大事だと良く分かったけど、毎回毎回真剣に考えてたらしんどくてかないません!!
正直「やってられるかーアホー!!」って感じです。
だから精神科看護師は皆思いっきり現実逃避する趣味を持っているのです。
そんな感じで上手にバランスを取りながら仕事をしていた毎日でした。

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