朝、目が覚めると密室でした。 後編
前話:
朝、目が覚めると密室でした。
とりあえず体調不良を訴えて
どうにかこうにか仕事の件は流した
さてどうしたものか
このまま出れなくなると様々な問題が生じてくる
まずは食料問題。
冷蔵庫をあけてみる
ワインが二本
水
お茶
胡麻ドレ
醤油
珈琲豆
飲み物と調味料しかない
なんて生活感ないんだ
非常事態にそなえて乾パンとか置いとけばよかった
ドアノブが外れちゃうことくらい想像できなかったのだろうか
想像力の乏しさを思い知る。
次に仕事の問題。
いままでの建築業から
完全に自宅に引き蘢ってできる仕事に
転職しなければならない
なにをしようか
内職でプラスチックのお花を延々と作ろうか
ドアノブとか内職で作りたいな。
親にも顔向けできないな
うちの息子は上京して引きこもりになりました
むかしは元気な子だったんです
とか言わせたら親不孝だな本当
精神的なものの見え方というのは
本当に不思議なもので
最高の気分のときに見上げる空は大好きなのに
いまこうやって窓から眺めると
なんとも言い難い
自由な空と対照的な今の私をよけいに思い知るだけで
虚しくなる。
そういえば 虚しい は 空しい とも書く
きっと漢字を作る人もドアノブ外れたのであろう。
と、ここで大変なことに気づいた。
人間に必要不可欠な活動の一つに
排泄
があるのだがそこに問題が生じた。
分かりやすく説明するために
我が邸宅の間取り図『THEまどり』を書いてみた
すこし見えずらいが
このような造りである。
この時点で皆さんもお気づきかもしれないが
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