ど田舎にできた高校アメフト部がたった2年で関西大会に出た話(先ず一歩を踏み出す)

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ど田舎にできた高校アメフト部がたった2年で関西大会に出た話


1.先ず一歩を踏み出す


頭の上から突然怒鳴られた。


「そこの二人、あきらめんと、はよ走らんか、ばかたれ」

驚いて見上げると、そこには鬼が立っていた。

「え、うそやろ」

一瞬自分の目を疑った。


坂の上から赤鬼が見下ろしている。


そんなあほな。


もう一度見上げると、それは赤いランニングパンツをはいていた。


頬がこけて、顎が尖がっている。唇が分厚く、足にはナイキのシューズ。


ひょっとして先生。

僕は隣を走っているMに声をかけた。

「見た?」


「おう、見た」


「もしかして、あれは先生か」


「みたいやなあ」


「ええ、先生って公務員やろう。あんな公務員がおるなんて信じられん」


「ほんまや」


僕たちは、ぶつぶつ言いながら、赤鬼の待つ坂の頂上まで全力で走っていった。


「すいませ~ん」

「こら…」


赤鬼が続けて何か言おうとしていた。


僕たちは、赤鬼の言葉に気付かないふりをして、その横を通り過ぎた。


みんなの読んで良かった!