【地球の裏側で元ホストと旅をして学んだ魔法の言葉】
ヒッピーや現地の道売りの人に混じって、
世界中の人のソウルカラーを描くのが今回の私の旅の目的でもあった。
やすは快く承諾してくれた。
そして他のメンバーも路上について来てくれることになった。
路上はいつ出ても緊張する。だからみんながいるのがとっても心強かった。
土日だけあって夜のクスコは人で賑わっている。
まず先に店を構えるヒッピーたちに挨拶する。
路上で仕事をする人はみんな仲間だから。
店といっても簡単な布をひいてその上にアクセサリーなどを並べた簡易的なものだ。
私も布に絵の具や、今日作った指差しスペイン語を並べ、お店の準備を始めた。
【あなたのオーラ見ます】
スケッチブックにスペイン語でそれだけ描いて置いておく。
まずはやすから描かせてもらうことにした。
まずお互い向き合ってしっかりと目を見る。
そこから水彩絵の具で、見えたまま、オーラを紙にえがいていく。
私は音にも色が見える『共感覚』なので、その人の色と、同じ色の音楽を2人で聞きながら描いていく。
ソウルカラーはみんなそれぞれ違って本当にキレイだった。
ソウルカラーを始めたのは、ただ、目の前のその人のありのままの素晴らしさを伝えたかったから。
ペルーに来て、スペイン語も喋れない私は、アートとして『色』でその人のことを表現することが、
国や国籍を超えた何よりのコミュニケーション手段だった。
そして言葉が喋れなくても、文化や肌の色が違っても、一緒に感動したり、その人のことを励ましたりできる。
泣いてくれる人もいる。
周りに理解されなくても私はこのソウルカラーという仕事が本当に誇りだった。
気づくといつのまにか、私たちを囲むすごい人だかりができていた。
やすはソウルカラーに衝撃を受けてくれた。とってもいいセッションになった。
本当の自分を知るのは、みんな嬉しいんだ。
いつしか少し端っこで見学していたKEIちゃんゆーきタケオは、
集まったギャラリーのペルー人にスペイン語や英語を駆使してソウルカラーの説明をしてくれている。
『どうやったらもっと人が来るか』『何て宣伝すればいいのか』
あーでもないこーでもないと、自分のことみたいに真剣に考えてくれていた。
おかげでこの日は始終大盛況だった。
一緒について来てくれたみんなは、多分ソウルカラーなんて半信半疑だったと思う。
だけど信じるとか信じないを超えて、
私が真剣に目の前の人と向き合っている、その姿勢を感じてくれた気がして、胸が熱くなった。
みんな、心底優しいメンバーだった。
チーム330結成
その日の夜、なんだかワクワクして、ホテルに帰ってからも全然眠れなかった。
みんなで1つの部屋に集まり、次の日までずっと話しをした。
今日の感想や、自分のこと、普段あんまり人に言わないようなことを、みんな本音で話していた。
今日さっき会ったとは思えない。
すると少しずつみんなのことがわかってくる。
大阪西成肉屋のタケオは、どこの国に行っても『TAKEO−−!』と呼ばれるくらい人気者。
初め会った印象も、かなり変わっていて面白い人だな〜。という感じだった。
しかし、実は地元に彼女を残し、逃げるように旅に出て来ていた。次はスペインに飛ぶらしい。
分析が得意なKEIちゃんは爽やかジャニーズフェイス。
学校の先生を辞めて旅に出たけれど、未だに深くまで教育について考えていた。
理論や分析は大の得意だけど、自分の感情や感覚が分からない時があると言っていた。
大学生のゆーきは、語学留学でペルーに来ていて、明日がなんと帰国日だった。
いつも冷静に私たちの話を聞いていた。(※写真がなかったので割愛)
元ホストのやすはご存知の通り、1年の旅もあと2週間で帰国というのに何を見ても感動しないと言う。
私となほはソウルカラーを描きながらの不思議な旅をしている。
オーラが見える!なんて奇妙なことはなかなか理解されない。いつものことだけど。
そうとにかく、みんなはみ出しものの変わり者だった。
そう切り出したのは感動できないと言っていた元ホストやす。
この日を忘れないために、チーム330って名前をつけよう!
そうして私たちのチーム名は決まった。【チーム330】。その日は2014年3月30日だった。
一人旅同士のみんな、日本では出会わなかったメンバーが、
いつのまにか地球の裏側でチームを組んでいた。
デコボコでみんな違うけど、本音で話せる大事な仲間だった。
3月30日の濃くて長い一日が終わった。
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