【地球の裏側で元ホストと旅をして学んだ魔法の言葉】

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最初の出会い


彼は、とにかくイライラしていて口を開けば他人や政治の批判をぶっ放す。

目を引く整った顔に、肩までのパーマの髪を一つにくくって、旅人らしからぬオシャレな服装。

何やら普通じゃない感じだ。


それが 【 元ホスト やす 】 の第一印象。


最初の出会いはペルーの、クスコのホテルの屋上だった。



私は、双子の姉妹で、人のオーラ(ソウルカラー)を描きながら世界を旅するという

ちょっと変わった旅の途中。この時全財産80ドル。極貧である。

感動できない旅人


その時私は、屋上の机で路上のソウルカラーの時に使う「指さしスペイン語」を作っていた。

スペイン語のできない私は、現地の人にオーラの色の説明するときこれを使ってやっていた。



そのとき、彼の衝撃な一言が耳に飛び込んでくる。

その一言が全ての始まりだった。


元ホスト やす
俺さー、1年旅してるけど、全く感動せんのよねー


なっなに!?

散々世界中の絶景や遺跡をみて、感動しないだと!?


あの有名なマチュピチュを見ても

感動どころか、ボロクソ文句を言って帰ってきたらしい。


ちょっ、前に座って目見せてください!


急にこんなこと言ったらとんだ変人だけど、目を見てちゃんと彼のソウルカラーを見たかった。

目を見ると人のオーラがよく見える。


え?オーラ見えんの?俺の色何色?何色?


予想を裏切らないポップな返答で、すぐ前に座って目を合わせてくれた。

彼の切れ長の大きな目は、すき通っていてちょっとビックリするくらいキレイ。吸い込まれそうだった。


すると、彼のソウルカラーも浮かび上がってくる。

彼の宇宙を覗いた。


彼の色は、子供みたいに純粋でだけど深くて自分の哲学を持っている、

とてもユニークな素敵な色をしていた。


見てるこっちが、ワクワクする。


感動しないなんてウソ。いっぱい感じてるし本当は感動したいと思ってる。感じなくなっちゃってる...。


それから、とにかく見えたことを話した。

彼の家庭環境、普段どんな風に物をみているか。感情のでない理由...。


真剣に伝えたくてとにかくまっすぐ話す。とにかく届け。彼のこころに話す。


すると彼の目が変わった。


元ホスト やす
え?何で分かんの?全部あたりなんだけど....


それから今度はやすの口から話してくれた。

自分の家族の状況や子供の頃の話。両親の育て方。


会って1時間もたたないけど、私たちは真剣だった。



壮絶な本気のホスト人生



そして彼はかなりまじめにホストをしていた。

そのホストの話がまたすごい。


想像していた華やかな世界と全く違い、

暴力とお金とヤクザの話はマンガやドラマのようだった。


ナンバー1だったことや、重要な役職についていたこと、大きな夢があったこと。

話しの本気具合でウソなんかじゃないと分かる。


やすは、世間では少し 普通じゃない と呼ばれる道を、誰よりも真剣に真っ直ぐ爆走していた。


地球の裏側での化学変化



話に熱中していると、屋上には他に3人の男の子が集まっていた。

途中、彼らも加って一緒に話をする。


それは日本では絶対そろわないであろうメンバーだった。


学校の先生だったKEIくん

まだ学生のまじめそうなゆーき

大阪西成出身の肉屋のたけお。


途中から入った彼らは、私の奇妙な話を半信半疑どころか、うさんくさいなぁ〜、という感じで聞いている。

そりゃいきなりオーラとかソウルカラーとか言われたら無理もない。


そして元ホストのやす

ソウルカラーアーティストの、私と双子の姉なほ。


どう考えても気が合うとは想像しがたいメンバーだった。

経歴も生い立ちも出身も見た目の雰囲気も、すべてがミスマッチでデコボコ。


しかし、地球の裏側で、予想もしない化学変化が起こってしまったのだ!


まさかこのあとこの出会いが、みんなの人生を変える旅になるとは誰も想像してなかったと思う。



ヒッピーに混じっての路上



話に熱中していると、あっという間に夕方になり、路上にソウルカラーをしに行く時間になってしまった。

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