【地球の裏側で元ホストと旅をして学んだ魔法の言葉】
みんなの化学変化
次の日、もう日本に帰るゆーきがソウルカラーをしたいと言ってくれた。
あまり興味がなさそうに思っていたから、とてもビックリだった。
この先の就活のために自分を知っておきたい。
その言葉に、私たちも気合が入る。
ホテルを出発する1時間前、ゆーきの色を描かせてもらった。
セッションのあと、ゆーきの激変ぶりにやすは驚いていた。
あまり目を見て喋ってくれなかったゆーきが、しっかり目を見てよく話すようになっていた。
雰囲気も前より堂々としている。
自分の変化は気づかないもので、実はやすも目を見張るほど変わっていた。
とげとげした雰囲気が柔らかくなり、よく笑うようになっていた。
顔も優しくなっている。その変化に一緒にいたみんな驚いていた。
また日本で会いましょう!みなさんいい旅を!
すがすがしい笑顔でゆーきは日本に向けてペルーを出発した。
残ったメンバーで次の帰国者はやすだった。ペルーを出るチケットはもう1週間きっていた。
化学変化
あれから【チーム330】は本当によく一緒にいた。
観光もろくにせず、某番組しゃ◯り場のように真剣トークを繰り広げている。
そしてみんなと本音でぶつかるうちに、それぞれに化学変化が起こっていた。
その中で一番変化していたのは多分元ホストのやすだ。
ある日みんなで公園の芝生でのんびりしていていると、空に虹が出ていた。
世界文化遺産になっているクスコの街に大きな虹がかかる光景は絵の中みたいでとってもキレイ。
そのとき虹を見上げるやすの口から
という言葉が出たのだ。
『 風景や空見て感動できるやつの気が知れないわー。そんな簡単に感動できるやつ羨ましいよねー 』
得意の毒舌でよくそう言っていたやすが、虹を見て感動していた。
そんなの当たり前のことだけど、私たちには衝撃的だった!
それをやすに言うと、笑って少しテレていた。
最後の修学旅行
やすのペルー出発が残り3日となった時、
忘れられない思い出を作ろう!と、近くの村に遊びに行くことになった。
もちろん、一番楽しみにしていたのはやす。
そしてこの修学旅行でみんなの旅が変わることになる。
近くの村までは中型のバンで1時間もないくらいで着く。
このメンバーでの最後の旅に、テンションは最高潮だった。
だけどムードメイカーのやすが抜けるのは、みんなとても寂しかった。
旅が終わったらもうなかなか会うこともない。みんなの中では、やすのお別れ小旅行だった。
小さな村に着くと、もうお昼。
ご飯を食べようということになってごはん屋を探す。
しかし、村に到着してからなんだかやすの様子がおかしい。
どこかイライラしているような、気分ののらない雰囲気だった。
やすは居心地悪そうに、一人先に宿に帰ってしまった。
みんなが心配しているなか、私はやすの異変の理由が分かっていた。
自分と向き合う
結局夜になってもやすの調子は変わらなかった。
その日は、街に散歩に行ったりホテルでゆっくりしたりみんな好きなように過ごす。
やすはみんなといるのが居心地悪そうに、部屋にこもったり距離をとっていた。
久しぶりに”こっちに来るな”エネルギーがバシバシ出ている。
結局その日、あまりやすとは会話がないまま夜になってしまった。
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