私はここにいる

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エレベーターが開き二人で小さな密室へと入り込む。平田が6階のボタンを押す。いつの間にか部屋の鍵まで持っていた。
6階まで着くのにすごく時間がかかったような気がした。
二人とも無言だった。

平田が部屋の鍵を開けた。
「どうぞ」
紳士的な振る舞いを見せた。
ほまれは恐る恐る部屋へと入って行った。
すると突然平田が後ろからほまれを抱きしめた。
「ちょ、ちょっと」
「もういいじゃないか。ここは二人だけ。看護婦もいなければボーイや他の客もいない。俺たちやっと二人きりになれたんだ」

ほまれを向き直され平田は激しくディープキスを始めた。

意識が正常ではなくなって来た。12歳で生理になり身体の変化に伴い性への興味も湧いてくる。

ほまれの口から誰からも教えられてもない吐息が出る。

「…ほまれ」
ほまれの唇を奪いながらワンピースのファスナーを下ろし脱がせた。

勝負下着もどきがあらわになる。
平田はほまれをベッドへと押し倒した。

ほまれの身体がだんだんと力が抜けて来る。

「処女じゃないんだろ?何人の男とヤった?」

「忘れた」
ほまれは嘘をついた。何故、嘘をついたのか自分でもわからない。

平田の興奮がますますエスカレートしていく。

ほまれを丸裸にし、平田も全裸になった。

「思った通り綺麗だ。ほまれの目も身体も。たまらないよ!」
平田はほまれの全身を愛撫し始めた。

愛されるってこういうことなの?
ほまれは道なる大人の女の世界へと入り込む。

「我慢出来ない。入れてもいい?」
ほまれは目をつぶったままうなずく。

平田のモノが入ろうとする。でもなかなか入らない。
「あれ?おかしいな」
平田の息が荒くなってくる。
「いいの。続けて」
平田のモノがグイとほまれの身体に入り込む。

「痛ーーーい!」
絶叫のようなほまれの叫び声が部屋中に響き渡った。

平田はビックリしほまれの身体から離れた。
シーツには薔薇色のような赤い血が大量に出た。

「ほまれ、大丈夫か?おまえ処女だったんだな。なんで言わなかったんだ?大事なことだぞ!」

「いいの。お兄ちゃんだから。どうせいつか捨てなくなるんだもん」
平田は煙草に火をつけた。
そして硬直したほまれの身体を摩っている。

「また俺とヤレるか?」
「うん」
「俺、処女始めてなんだよな…なんか悪いことしたね」
「大丈夫よ」
平田はほまれの目にキスをした。



相変わらず平田からの電話はかかって来ない。

三週間ぶりにやっと平田から電話があった。
赤坂プリンスの同じ部屋で待っていると。

ほまれは慌てて外出の用意をした。

あの部屋のドアをノックする。
ドアが開くと平田の笑顔だった。

平田はほまれを抱きしめた。
「おまえの華奢な感触がたまらないんだ」

「今日は大丈夫かな?」
「うん、大丈夫だよ」

平田はほまれのブラウスのボタンを外しはじめた。
あっと言う間に丸裸にされてしまった。
熱いキスをし上から下へと平田の舌が降りて行く。
ほまれの秘密の部分を優しく愛撫する。

気持ちいいとほまれは思った。これが大人の女なんだ。みんなしてることなんだからと思いはするものの甘い眩暈に神経が集中出来ない。

「入れてもいい?」
「うん」

今度は普通に入った。痛くもなかった。
女を象徴するような分泌物が音を立てる。
「ほまれ、感じてるんだね」
「気持ちいいよ。おまえの身体。最高だよ…あっ、あっ!ダメだ」
平田はほまれの身体から抜き射精した。


こんな日々が1年半過ぎた。
ほまれは喜びを知る女となった。それに加えて何か物足りなさも感じていた。


ほまれは高校を卒業した。

美術の専門学校に入学した。
クラスの20名ほどの生徒は個性を持っておりそしてみんな優しかった。

真壁は時々ほまれをからかうようになった。

「おい!子供!いいスニーカー履いてるじゃん?それ子供用もあるのか?どこで買った?」
「ふん!特別注文だよ!」
スニーカーは平田に買って貰ったものだった。
真壁がからかうのはほまれは色が白く童顔で華奢な身体つきだったからである。

昼休みにノートにほまれはイグアナのイラストを描いていた。明美が近づいて来てノートを覗き込む。
「ほまれ、何描いてんの?」

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