無職だった当時の僕に、無理やり、彼女が七夕の短冊を書かせた結果、1年後、あまりに信じられないことが起きた〜あの七夕が僕に、なりたい姿の描き方を教えてくれた。そして、人生の快進撃が始まった話〜

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著者: 只石 昌幸

無言の声が、僕には聞こえてくるのだ。



絶対に、

絶対に、

絶対に、書きたくない!!



しかし、

彼女もしつこかった。


そりゃ、わざわざ、笹を買って来て、折り紙から短冊を手作りして、穴をあけて、コヨリまで

通した状態まで作りこんだ、本気の短冊仕様。




そして、僕は、彼女の想いに負けた・・・



短冊、書くけど笑うなよ。。。
彼女
やった! もちろん!! やった〜。
・・・・・・



とにかく、書くのが恥ずかしかった。



無職。

努力もしてない。

具体的に動いてもない。



なのに・・・何を書けばいいんだ。



彼女
欲しい物、書いてみたら。
おー、それなら書けるわ!


僕は、短冊を1枚手に取って、ペンを走らせた。


“車に乗るなら、ハマーかベンツかセルシオじゃないとイヤ!”


これって、、、願い事と言うのか?

1枚、書き終えて、ジーーーっと、我欲に満たされた短冊を眺めている僕に、、、


彼女
うんうん、いいね! 私も乗りたーい! 絶対に、最初の助手席は私だよ〜。


これによって、気持ちよくなった僕は、とにかく、書きまくった。




“住むなら、六本木!”


“年収は、最低でも月に◯◯万円ないとダメ!”


“革のロングコートが欲しい!”


“露天風呂付き高級温泉に泊まる!”


“パソコンは最新のノートパソコンで仕事をする!”




今、考えたら、、、なんと、稚拙で、我欲にまみれ、、自分本位な願い事か・・・


◯◯が、叶いますよ~に。などという、謙虚さすらない。



そして、

当時の僕は、一切、気づいてなかったけど、絶対にあり得ないのは・・・



隣の彼女についての願い事が、何一つ、ないのだ



それでも、彼女は、ニコニコと、笑って、

僕が描き上げるたびに、コヨリで笹に短冊を結びつけ続けた。


結びつけるたびに、いちいち、、、僕の願い事を声を出して読み上げるのだ。


最初は、頭から火が出るくらい、恥ずかしかった。


しかし・・・


どんな願い事にも、



「これは、アナタなら絶対に叶えられるよ〜」


「うわ〜。これ、すぐにできるでしょ。」


「こんなの、余裕、余裕!」


「アナタは、絶対にできる!」



願い事に対して、いちいち、付けてくれる彼女のコメントを聞けば聞くほど、

不思議と、なんでも出来る気になってくるから、不思議だった。



「俺でも、できるかな?」


「当たり前でしょ!!だって、すでにスゴイこと、いっぱいしてきたじゃん!!!」





僕の中で、何かが弾けた瞬間だった。




「あ、俺、ずっと逃げてきただけだわ」



身体中に、電流が走るような感覚に襲われた。




 ー ー ー ー


そして、1年が過ぎた。


僕は、

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