【実話】30歳まで童貞だと人はどうなるのか? 第三話 最もエクスタシーに満ちた場への接近

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著者: 細野 悠輔

「だから君は自信を身につけなきゃいけない。小さな成功体験を積み重ねるんだ。」


もしタイムマシーンが完成をして過去や未来に移動できるようになったら僕は過去に行きたい。


絵の前に立って心を開く。

そうすれば景色が広がってあの場所に戻れる。





それで昔の自分に会って伝えたい。

「どんな辛いことがあっても挫けてはいけない。」って。


恋愛にしろ、仕事にしろ、人生において人が前進をする際に最も大事なことは胆力ではないかと感じる。


自分の考えや思いを現実のものにするために僕らは時に自分の主張を強く言わなければらない。

反対する人を説得し、説得が難しい時には関係性を整理してまで前に進まなければならない。


それぐらい新しいことをやる時にはパワーがいる。

そしてこの胆力がないがために飛び立とうとしても空に浮かぶ前に落ちてしまう人がいる。


僕がそうだ。


胆力を発揮するためには自信が必要で、自信を持つためには0を1にしないといけない。

どんな些細なことでもいいんだ。


0に100をかけても0だけど、1に100をかけたら100になる。


恋愛も全く同じだと最近感じる。


僕にとっての始まりは18年前。


学校の教室に好きな子を呼び出し、

僕は待った。


約束の時間を少し過ぎた辺りで、彼女は教室に現れた。


「こんにちは。」

彼女が言った。


夢にまで見た瞬間だった。

彼女は優しい笑みを浮かべながら僕に近づいて来た。


香水の匂いだろうか。心地よい香りが部屋の中に広がっていた。


「来てくれてありがとうございます。突然電話をしてしまい、すいませんでした。」

僕は緊張しながら言った。


彼女は微笑みながら言う。

「大丈夫ですよ。電話くれてうれしかったです。」


面識のない人間からいきなり電話が来たにもかかわらず、

嫌な顔ひとつせずに相手をしてくれる。


なんて優しい人なんだろうって思った。


「それでわざわざ来てもらったのは、どうしても伝えたいことがあって。

XXさんにもし今付き合っている人がいないのなら、付き合って欲しいんです。」


すごく端的に、ストレートに言った。


すると彼女は、「ありがとうございます。でもいきなり付き合うのではなくて

友達からというのはどうでしょう?」


当然の答えだった。


いきなり呼び出して一方的に自分の思いを伝えてうまくいくはずがない。

そもそも僕らには面識すらないのだから。


僕は言う「そうですよね。いきなり唐突にすいませんでした。

だけど俺はXXさんの事がとても好きなので、それを伝えたかったんです。」


「好きになってくれたことはとても嬉しく思います。

校内ですれ違うこともあると思うので、これかららは手を振りますね。」


手を振ってくれるだと?

有り得ない状況だった。


知らない人がいきなり好きだから付き合ってくれと言ってきたにもかかわらず、

ここまでの対応をしてくれるなんて。


僕はその状況がとても嬉しくて

「ありがとう」と彼女に伝えて

その場を離れることになった。


別れ際にダメ元で

「あの…。ポケベルって持ってますか?

もしよかったら番号を教えて欲しいのですが。」


若い読者には意味不明な単語が出てきたと思う。


ポケベルというのはメッセージを送ることの出来る端末で、

今からはるか昔に若者の間で使われていた情報端末だ。



↑こういうやつ


今はLINEやメールで連絡をするのが基本だと思うが、

当時は番号を組み合わせることで相手にメッセージを送っていたのだ。


例えば「愛している」と贈るのは

114106と打つ。


公衆電話を使って相手の端末を呼び出し、

番号を打って電話を切る。


すると相手の端末が鳴って「アイシテイル」と表示されるのだ。


こんなモールス信号みたいなやり方で

昔の人は意思疎通をしていたのだよw


そしてこの原始時代の端末を使って

僕はとんでもない愚行をし始めるのだ…。


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