癌で胃袋を失い生きる希望を失いかけた男が、一夜にして元気を取り戻した物語

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著者: 出雲 哲也


「入院は、12月9日です。」


「手術の前日に、内視鏡を入れて、目印をつけます。」




手術の同意書にサインをした。


しかし、私は手術をしないつもりでいた。


(今日は、11月18日、手術まで3週間以上あるんだ・・・)


(手術までに癌が無くなっていたら、手術はできないだろう・・・)


(手術までに、絶対に癌を消してやる・・・)


(もし、消えてなかったら、その時は潔く腹を切ろう・・・)




家に帰り、あと3週間でいったい何ができるか、リストアップした。


3週間で癌を消すためにできることを全てやろうと決意していた。




まずAmazonで、39000円の低速で回るジューサーを買った。


ミキサーは、野菜の細胞が壊れるからいけないらしい。


価格の安いのジューサーは、つぶすときに摩擦熱で


酵素が働きを失うらしい。


(39000円は、安くはないが、命がかかっているんだ・・・)




ネットで無農薬野菜を買い込んだ。


青汁を1日1リットル飲んだ。


フルーツを一日500g食べた。


白米から玄米に変えた。


菜食にした。


酒はもちろん、コーヒー、紅茶も辞めた。




毛細血管が拡がるという一日40分のジョギングを行った。


光の玉が、胃の中をきれいにして、癌が消えていくイメージトレーニング。


チベット体操21回、朝昼晩の一日3セット。


食べ物をゆっくり味をあじわい、


ドロドロになるまでしっかり噛んだ。


健康をイメージさせるアファーメーションを暇さえあれば口ずさんだ。





入院の前日まで、やり切った。


自分のイメージの中では、


癌はすっかり 消えていた。



元々自覚症状が無かったが、


この3週間で身体がすっきりしていた。







12月12日


検査室に入る。


ベッドに横になった。




内科医が来た。


今日も、脂汗を浮かべている。


「あ~と声を出してください。」





内視鏡が入ってきた。


「おえ~、おえ~・・・・・」


今回は、前回よりも乱暴に感じた。



疲れが心の乱れとなり、


それがそのまま内視鏡に反映しているようだった。





検査が終わった。


「先生、癌 どうなっています?」



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