Logo

STORYS.JPは、2013年2月に誕生しました。

JSPOのアクティブ・チャイルド・プログラムが育むカラダとココロ、そして社会

著者: 公益財団法人日本スポーツ協会

こんな今、アクティブ・チャイルド・プログラムでカラダとココロを健やかに



今、新型コロナウウィルスの影響によって、子どもたちが外出して、思いっきり自由に体を動かす機会がなかなか確保できません。


でも、子どもたちにとって体を動かすことは、健全な体と心を育て、健やか生活を送るためには、とても重要なことです。


特に、幼少年期(3~12歳)に色々なバリエーションの動きを経験することで、身体能力の基盤を培うことになりますし、それらを楽しく遊びながら行うことで、継続的に体を動かす習慣作りにもつながります。


体を動かすことや、遊びやルール、動作を習得したり創意工夫することなどによって、幼児教育の分野で近年関心の高まっている「非認知能力(注1)」を育てることにもつながります。研究では、非認知能力の向上は、学習能力も高めるとされています。


こんな時だからこそ、子どもの健全な成長のために、日本スポーツ協会(JSPO)が開発したアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)で、楽しく子どもと遊びながら、体を動かして欲しいと切に願っています。

(注1)非認知能力 ; 非認知能力とは、広義にはIQ等の測定可能な認知能力以外を広く指すものであり、自制心や自己肯定感などの自己の力、協調性や思いやり、規範意識などの社会性の力などが挙げられます。また、非認知能力の向上は認知能力の向上を促すとされています。

スポーツと非認知能力との関係については、JSPO発行のSport Japan最新号(Vol49.5月29日発刊予定)の特集で詳説しますので、ご興味あればJSPO広報課(jspo1@japan-sports.or.jp)までお問い合わせください。


アクティブ・チャイルド・プログラムって?


大人にとっては、健康増進や体力向上のために身体を動かすということにさほど抵抗感をおぼえませんが、同じような考え方で子どもにアプローチしても十分な効果は期待できません。


そこで、子どもが楽しみながら積極的に身体を動かせる。しかも、子どもの発達段階に応じて、身につけておくことが望ましい動きを習得する。それがアクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)です。


楽しみながらできるように、ACPの運動プログラムは、昔からある「ケンパー」や「手押しずもう」「ゴム跳び」、各種の「鬼ごっこ」など、馴染み深い“遊び”を中心に構成しています。


また、「走る」「跳ぶ」「投げる」などスポーツの基礎となる動作を経験し、身につけることが期待できるため、本格的にスポーツを行う際に役立つ他、楽しくできるので各競技のウォーミングアップとして活用することも効果的です。


ただ、ACPはそもそも運動場や公園などの広いスペースで行うことを想定して開発しました。このため、自宅等のスペースでできる種類は限られてしまいますが、各遊びをミックスしたり、アレンジを加えることもできます。また、発達段階や能力に応じて、発展的なアレンジ方法も紹介していますので、それらを参考に子どもたちが自ら工夫して考えることで、非認知能力が向上することも期待できます。


このプログラムでは“遊び”の体験を通して、身体を動かすことだけでなく、自発的・積極的に人と交わり協調することができる子どもを育み、心理・社会的な成長につなげることも目的にしています。


現在、このACPは幼稚園や小学校、スポーツ少年団、体育・スポーツ協会、医療機関など、全国各地の多くの子どもたちに取り組まれています。


★ACPの指導者向けページはこちら(https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/acp/shidousya.html


★ACPと学習の関係についてはこちら(https://media.japan-sports.or.jp/column/z26Uv


アクティブ・チャイルド・プログラム誕生の背景


研究当初の平成20年、文部科学省の体力・運動能力調査結果では、子どもの体力・運動能力の平均値が年々低下していることが示されました。


その内容を分析すると、体力・運動能力水準の高い子どもがいる半面、以前より水準の低い子どもたちが増えていることが読み取れました。

いわゆる体力・運動能力の2極化現象が確認され、この原因として日常生活における身体活動量が極端に少ない子どもたちが多く見られたのです。


この結果から、体力や運動能力を支える心身諸器官の機能が低下している子どもたちが増え、それは成人まで持ち越される可能性が高いと考えられました。


また、当時の日本学術会議のスポーツ科学分科会からは、子どもの運動不足の影響は、体力・運動能力のような面だけでなく、運動に伴う身体感覚や気力を劣えさせ、運動中に生じるいわゆる非言語能力の発達にも影響が及び、対人関係や対社会関係をうまく構築できなくなるなど、子どもの心の発達にも重大な影響が生じるとの懸念が示されました。


これらのことから、子どもの体力を向上させるには、運動実施の機会を増やす方策を考え、実行させることが緊急の課題となりました。

このため、日本スポーツ協会(JSPO)はスポーツ医・科学の各分野における第一人者を集い、「子どもの発達段階に応じた体力向上プログラムの開発事業」に取り組みました。


その結果、子どもの発達段階に応じた内容で、かつ自ら進んで積極的に継続的に取り組めるような運動プログラムとして、平成22年にアクティブ・チャイルド・プログラムが誕生しました。



ACPによる今後の展開


子どもは体を動かして遊ぶことが大好きです。その大好きな遊びをいつまでも楽しく安心して続けていけるよう、私たちJSPOはこれまで、全国の先生や保護者、スポーツ指導者に広く伝えていくことで、ACPの普及と定着を進めてきました。


そして、その先には、全国的に子どもが楽しく運動遊びのできる環境が整えられ、運動に親しんで育った子どもたちが、その後も何かしらの運動を続ける習慣を身につけていることを願っています。


ところが、今般の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染リスクに備え、全国の学校では一斉の臨時休業が要請された上に、外出自粛要請も出されているため、子供の運動不足による体力低下が懸念されます。


このような状況を受け、JSPOは国と連携し、子供の運動不足を解消するために、わが国スポーツの統一組織(注2)という特徴を活かし、都道府県の体育・スポーツ協会などを通じて、ACPを活用した事業を展開していきます。

この事業では、今まさに必要な子どもの運動機会を提供し、体を動かす楽しさを実感してもらいたいと願っています。



(注2)JSPO(公益財団法人日本スポーツ協会);NHK大河ドラマ「いだてん」でも登場した嘉納治五郎が、1911年7月に「国民スポーツの振興」と「国際競技力の向上」を目的に、大日本体育協会として創立。日本体育協会を経て、2018年4月1日、現在の名称に。

 JSPOでは、国民体育大会や日本スポーツマスターズなど各世代を網羅したスポーツ大会の開催、スポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブなどスポーツをする場の創出、スポーツの楽しみをサポートするスポーツ指導者の育成、最新の医・科学に根差したスポーツの推進など、誰もが自発的にスポーツを「する」「ささえる」「みる・表現する」ための幅広い事業を展開。また、わが国スポーツの統一組織として、国や大学研究機関等や公認スポーツ指導者との連携の他、60を超える競技団体、47都道府県スポーツ・体育協会など、様々なスポーツ関連団体・組織が加盟。


「スポーツと、望む未来へ。」 


遊びは原始的なスポーツです。JSPOは、スポーツを「自発的な運動の楽しみを基調とする人類共通の文化」として、人類にとって欠かすことができないものと捉えています。


そして、スポーツは、子どもたち個々の色々な能力を養うことができるだけでなく、より良い社会の実現に貢献できるものだと考えています。(図スポーツ宣言日本(https://www.japan-sports.or.jp/about/tabid994.html)で示した「スポーツの力」と「目指す社会像」参照)


そうしたスポーツの力やスポーツがもたらす社会的な価値は、現在のような「withコロナ」の状況だからこそ、大切であると思います。

そして、コロナ禍の終息後、私たちも子ども達も「新しい生活様式」をはじめとした「Postコロナ」の時代を生きていくことになります。


私たちJSPOは、「Postコロナ」の時代も見すえ、「スポーツと、望む未来へ。」というコーポレートメッセージのもと、「スポーツの力」によって喜びや友好に満ちた社会の実現を目指し取り組み続けていきます。



参考:リリース「アクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)を活用した運動遊び促進事業」の実施について

×






行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。

この他の企業のストーリー

5min read
株式会社エール
全人類が持つバースデーをもっとワクワクさせたい!10年越しで生まれたバースデー総合プラットフォーム「meechoo」に込められた想いとは。
全人類が持つバースデーをもっとワクワクさせたい!10年越しで生まれたバースデー総合プラットフォ...
5min read
株式会社玄光社
1冊の本が完成するまでには膨大な時間が隠されている。村上春樹さんの「装丁」が出来るまで
1冊の本が完成するまでには膨大な時間が隠されている。村上春樹さんの「装丁」が出来るまで 株式会...
10min read
公益財団法人日本スポーツ協会
運動部活動指導者の実態調査から見えてきた課題と、JSPOの取り組み
運動部活動指導者の実態調査から見えてきた課題と、JSPOの取り組み すべての人々がスポーツに親...
10min read
リノベる株式会社
物件の条件を聞かない住宅営業!?最年少営業部長が考える「お客さまに寄り添う」の本当の意味
物件の条件を聞かない住宅営業!?最年少営業部長が考える「お客さまに寄り添う」の本当の意味 新卒...
11min read
一般社団法人HASSYADAI social
【開催レポート】「CHOOSE YOUR LIFE FES #18歳の成人式 2023」全国47都道府県から約800人が参加
【開催レポート】「CHOOSE YOUR LIFE FES #18歳の成人式 2023」全国4...
2min read
株式会社すぐる
原料不足の危機から生まれたビッグカツの開発秘話
原料不足の危機から生まれたビッグカツの開発秘話 株式会社すぐる(スグル食品グループ)は駄菓子...
6min read
株式会社Lecture
大分発・ハサミを持たないシャンプー専門サロン「uruu」。起業家・母親・妻として…自分の人生をわがままに生き抜く!株式会社Lecture代表取締役:狩生志保
大分発・ハサミを持たないシャンプー専門サロン「uruu」。起業家・母親・妻として…自分の人生を...
7min read
KeepAlive株式会社
3兆円規模が見込まれるDX市場を主戦場にするコンサルティング会社がレザーグッズブランドを立ち上げた理由
3兆円規模が見込まれるDX市場を主戦場にするコンサルティング会社がレザーグッズブランドを立ち上...
5min read
株式会社平和堂
たった1年で平和堂のハウスカード「HOP-VISAカード」のリニューアルとグッドデザイン賞受賞を成し遂げた若手社員の奮闘
たった1年で平和堂のハウスカード「HOP-VISAカード」のリニューアルとグッドデザイン賞受賞...
5min read
積水ハウス株式会社
自然や生きものと共存し、「豊かな心」を育む庭
自然や生きものと共存し、「豊かな心」を育む庭 自宅の庭や街路樹の緑が美しく成長し、自然と触れあ...