創業事業のクローズ・ピボットからサイバーセキュリティ学習SaaSのリリースに至るまで。/Flatt Security執行役員 豊田恵二郎
Flatt Securityは2020年11月4日(水)、サイバーセキュリティ事業に事業転換して初めてのプロダクト「Flatt Security Learning Platform」のβ版の提供を開始しました。
■Flatt Security、セキュアコーディング習得を支援するSaaS型eラーニングサービス「Flatt Security Learning Platform」のβ版を提供開始。
同社は2017年、現役東大生の井手康貴さんが中心となり、2017年に創立しました。当初はC向けのライブコマース事業を展開していましたが、翌年8月に事業譲渡。2019年から取り組むサイバーセキュリティ事業が同社の主力事業になっています。
若者が主なターゲットだったライブコマースアプリからB向けのサイバーセキュリティ事業に転換し、社名もFlattからFlatt Securityへ変更。毛色の全く異なるピボットによりほとんどのメンバーが離れていくなか、共同創業者でCCO(Chief Creative Officer)の豊田恵二郎さんは会社に残り、ゼロからサイバーセキュリティ事業の立ち上げに従事しました。
長年、Flatt Securityの成長をサポートしてきた豊田さんに、起業の背景や「Flatt Security Learning Platform」に対する思いを聞きました。
豊田恵二郎(@toyojuni)
Flatt Security 執行役員 Chief Creative Officer(CCO)。
2020年3月東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。
大学在学中に株式会社ラブグラフでのインターンやフリーランスでの活動など、DTPからUIまでデザインを軸に据え幅広く活動する中で株式会社Flatt(現株式会社Flatt Security)の立ち上げに参画し、toCのライブ配信×ECサービスのUIUXデザインおよび社内のクリエイティブ統括を行っていた。
このサービスを一部上場企業に売却してサイバーセキュリティ事業を開始してからも、引き続きデザイン・クリエイティブを軸に経営に携わっている。
休学して共同創業者に。「モチベーションは今と違って会社向きではなく自分向きだった」
――代表の井手さんとは東京大学の同級生ですよね。どのような経緯で起業することになったのでしょうか。
同級生ですが、井手は文系で僕は理系、当然学部学科が違うこともあり、大学2年の秋までお互いの存在を知りませんでした。2年の後半に僕がラブグラフで働いていたタイミングで井手からTwitterでフォローされて、初めて交流が生まれました。
当時、スタートアップ企業でインターンをする同級生が周りにいなかったので、興味を持ってくれたんだと思います。Twitterでやりとりしているうちになんとなく二人で飲むことになり、鳥貴族に行ったのを覚えています。色々と話をしましたが、そのときは「井手くん、優秀そうだな」くらいしか思ってなかったですね。
一気に仲良くなったのは、とある事件がきっかけで。仕事で井手に迷惑をかけてしまったことがあり、自分自身かなり気に病んだんですが、当の本人は「全然気にしてないよ」と軽く受け流してくれて。井手くん、超いいやつじゃん!と思いましたね(笑)。
それから仕事の話もよくするようになり、2年の終わりに「起業するんだけど一緒にやらない?」と声をかけてもらって、Flatt(当時)の創業メンバーになりました。
僕はもっとデザインを勉強するために1年間休学することを考えていたので、会社を経営しながらデザインを学ぶという選択肢は悪くないと思い快諾しました。ただ当時は今とモチベーションは違って、会社向きじゃなくて自分向きでした。つまりどちらかといえば自らの成長のことを意識していましたね。もちろん会社もメンバーも好きで事業へのやる気に溢れてましたが、最終的には自分が成長するための選択肢として捉えていたというか。
語弊を生む言い方かもしれませんが、実際うまくいかなければ復学して大学生に戻ればいいだけですからね。リスクをとっていない状況だったので、少なくとも現在ほどの意識はなかったんじゃないかなぁと思います。
経営者としての意識が芽生え、事業ピボット後も会社に残ることに
――ライブコマース事業を展開したのちに、事業譲渡したんですよね。
2017年5月にFlattを設立し、PinQulというライブコマースアプリの開発・運営をしていました。決して事業がうまくいってなかったわけではないのですが、経営判断でクローズし、事業譲渡することに。ピボットのタイミングで完全に仕事がなくなってしまったため、ほとんどのスタッフは離れていきました。
そんななか、僕は会社に残ることを決めました。設立当初は先ほど話したような自分本位の動機で参画しましたが、1年近く会社を経営する中で、経営者としての意識が芽生えていたのが残留した大きな理由の一つです。前事業においてゼロイチでサービスを立ち上げて開発・運営した経験を生かして、Flattで再チャレンジしてもっと上を目指したいと思ったんです。
また、井手についていけば、きっとおもしろいことが待っているんだろうなと思えたのも大きいですね。
Flatt Security代表取締役の井手康貴さん
――豊田さんからみて、井手さんはどのような経営者ですか?
自分のビジョンを持ち、同じ志を持つ仲間や応援者を集めることが得意なところは、誰よりも経営者向きだと思います。現に、今働いているセキュリティエンジニアのほとんどは、井手に口説かれ「この船に乗ったら、技術的に学べるだけでなく、もっとおもしろい景色が見れそう」と思って集まってくれています。
タスクをこなすのが得意じゃないとかオフィスですぐものをなくすし、早起きも苦手とかそう言った弱点はありますが、経営者に必要なスキルは持っているのでそこは僕を含め周囲がフォローすればいいだけです。それぞれの得意領域を皆が理解しているので、猛進している井手に信頼してついて行くことができます。
満を持してローンチする新プロダクト「Flatt Security Learning Platform」
――ついに「Flatt Security Learning Platform」が提供開始されましたね。このプロダクトへの思いを聞かせてください。
「Flatt Security Learning Platform」はWebエンジニアのセキュアコーディング習得を支援するSaaS型eラーニングサービスです。平たく言うとこれまで集合研修形式が主流だったエンジニア向けのセキュリティ教育を、SaaSとして自動化された演習教材を通じてより安価に時間と場所に囚われない形で提供するものです。
「Flatt Security Learning Platform 」サービスページ
https://flatt.tech/learning_platform
このサービスの99%は弊社のセキュリティエンジニアの実力・努力によって出来上がっていると言っても過言ではないので、自分はUIUXデザインやPRの立場からサポートしているだけと言う前提にはなりますが、控えめに言ってもどこにも負けない素晴らしい価値を提供するプロダクトだと思います。
組織の中でのWeb開発の形が移りゆく中、セキュリティ業界のサービスの提供のあり方はもちろんその技術的難易度も相まってですが、大きく変化することがなかったように見えます。どのような業界にもそのような膠着は存在すると思いますが、そのような状態からパラダイムシフトを起こしてきたのは僕らのようなスタートアップ企業のプロダクトだと思います。
実は弊社内ではプロダクトを作っては潰し、のトライアンドエラーが何回か繰り返されています。当然、社外でそれを知る人はいないのですが、仮設検証の結果ローンチの意思決定をできず、日の目を見ずに終わったプロダクトが存在しています。
そんなFlatt Securityがプロダクトをローンチするのは、創業事業のライブ配信×ECサービス以来なんです。それは2017年の10月でしたから、3年以上の月日が経過したことになります。満を持して提供するプロダクトになりますので、是非多くの方に使っていただければと思います。
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