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能登の魅力をものづくりの力で高めたい。10年かけ、日本酒の原材料を能登産100%へと切り替えた思いとは

著者: 数馬酒造株式会社



日本酒や、日本酒をベースにしたリキュールの製造を手がける数馬酒造株式会社は、2020年度の造りから、日本酒の酒米における原材料調達の能登産100%を実現しました。


100%への切り替えにかけた歳月は約10年。周囲の協力を得ながら、より能登に根ざした、能登の魅力を高める企業を目指して事業を展開しています。


今回は、代表取締役の数馬嘉一郎が、原材料の能登産100%を達成した経緯やその裏側、思いの部分をお伝えしていきたいと思います。


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■リスクヘッジを取りながら10年かけて切り替えを実現



10年前に私が社長に就任した時は、原材料全体の約1/3が能登産という状況でした。


とはいえ、元々先代も私と同じように「能登という土地に根ざした企業でありたい」「能登の魅力をものづくりの力で高めていきたい」という思いを持っており、一部の地元農家さんとは長年お米作りを一緒に行っていました。それを、私が代表になったタイミングで一気に加速させた形ですね。


実は、約90%までの切り替えは、スタートからそれほどかからずに達成できていたのです。そこから、残りの10%を進めるために費やしたのがおよそ3年。


その3年で何をしていたのかというと、経営上のリスク分散です。弊社の酒蔵は海が近いため、水害の可能性があります。ですので水害が起こっても事業を止めない体制が必要でした。


具体的に行ったのは、日本酒以外の醸造機能をゼロにしないよう醤油作りを別の蔵に移転したり、リキュールの製造を他の丘の上にあるワイナリーへ移転したりなどの対策。設備投資の面で時間がかかったのが大きかったです。



また移転先の検討にあたっても、弊社が掲げるSDGsを軸に進めていけたのはよかった点だと感じています。


  1. 地域資源を最大限に活用した持続可能な原材料調達100%を実現する
  2. 環境負荷に考慮し、社会に貢献するものづくりを行う
  3. あらゆる人財が活躍できる多様性のある労働環境を構築する


弊社が掲げている具体的なSDGs目標は上記の3点。移転先に、廃業したワイナリーや廃園になった地元の保育所を改装して再利用することで、環境負荷に考慮し遊休資産を活用することができたのではないかと考えています。



■高校の同級生がパートナー農家に。耕作放棄地の再生という新たなチャレンジ


今回の原材料を能登産へ切り替えた取り組みは、先ほどご紹介したSDGs目標の①と主に関わっています。というのも、切り替えを進めるにあたって新たなチャレンジも進めたからです。それが、2014年から行っている耕作放棄地を活用した“水田作りからの酒造り”です。


この取り組みは、パートナー農家さんとのやり取りから生まれました。品質が重要なことは前提としてありますが、同じ思いで取り組んでくれるパートナー農家さんとタッグを組ませていただいているので、目指しているところが同じなんです。



彼は私の高校の同級生でもありまして。これまでに東京ドーム約5個分の耕作放棄地を再生しました。こちらの取り組みは県内大学の学生たちとも一緒に活動し、その活動を見て「一緒にやりたい」と県外の酒販店様や他の地域の方々からもお声がけをいただきました。


こうして能登の資源や人材、価値観などをシェアしながら、循環型のものづくりができていることをとても嬉しく思っています。



■原材料能登産100%のその先へ



原材料を能登産100%へ切り替えたことで、好影響を肌で感じています。


弊社の能登への思いをより伝えられるようになりましたし、海外の方からも「能登の原材料を使用した能登のお酒というところが、説得力が高まる」という評価をいただきました。


また、酒造り自体の意義の高まりも感じています。「能登の米」を使用した「能登の地酒」が「おいしい」と皆様に喜ばれること、また品評会において高い評価をいただけることは地域を励ますことに繋がっていると思います。


弊社の日本酒は、能登の食材とペアリングをすることでより楽しんでいただけることを考えて造っています。弊社のお酒を通して能登の食材に興味を持ってもらうきっかけになればいいなと思います。



今後も、能登に根ざし、共鳴し合う生産者の皆様とともに、醸しのものづくりを通じて能登の魅力を高める取り組みを継続してまいります。そして、この美しい自然と文化を持つ能登を次世代へ繋げてゆけたらと思います。


(監修:数馬酒造、取材・文:ameri)



【会社概要】

会社名:数馬酒造株式会社

所在地:〒927-0433 石川県鳳珠郡能登町宇出津ヘ 36

代表者:数馬 嘉一郎 (代表取締役)

法人設立:昭和26年1月18日(明治2年創業)

事業内容:清酒・リキュール・醤油の製造

URL: https://chikuha.co.jp/


公式SNSアカウント:

Twitter https://twitter.com/kazuma_noto

Instagram https://www.instagram.com/kazumasakebrewery/


【お問い合わせ先】

弊社ホームページお問い合わせフォームにて

https://chikuha.co.jp/contact/




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