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今日が、残りの人生の最初の1日。

花が教えてくれた、人が幸せに働くために大切なこと

著者: 株式会社LORANS.-ローランズ-

こんにちは。

株式会社ローランズ代表の福寿満希(ふくじゅみづき)です。


都内で花や緑を中心としたサービスやフラワーカフェを運営しています。



あと少しで、今年も母の日がやってきます。(2021年は5月9日日曜日)


今年はなかなか会えない状況の中、お花に思いを託される方も多いかもしれません。



母の日は国によって違いはあるものの、日本のように第二日曜日とするところが多いようです。


またカーネーションを贈るという風習も多くの国で共通していますが、もともとはたったひとりの女性の行動から世界中に広まっていったといわれています。


1900年代初頭、アメリカのウェストヴァージニア州でアンナ・ジャービスという女性が、亡き母を追悼するため参加者に配った白いカーネーションが起源のようです。


そのお母様は南北戦争で負傷兵をケアするための活動を行った、地元では有名な方だったようですが、

とはいえSNSもインターネットも、テレビさえなかった時代に、ひとりの女性が行った行動が今や世界中に広がっているということは驚きです。


母親(そして父親などの育ての人)への想いというものが、世界共通のとても普遍的なものであることを改めて感じます。


日本でも一般的に広く定着している母の日の慣習ですが、17歳以下の子どもの約7人に1人が経済的に困難な状況にあるなか、お花を贈りたくても金銭的な理由でそれが叶わない家庭も少なくありません。


そこで私たちは、そんな願いを持つ子どもたちを支援する取り組みを、4月19日からスタートさせました。


母の日に花を贈りたくても叶わないこどもたちを応援する「母の日フラワードネーション」開始 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000018643.html


なぜこのような取り組みを行うことにしたのか、

その背景には、私たちがコロナ禍で改めて実感した、花が持つ力というものがありました。




私たちが、幸せに働くということの意味


都心でフラワーカフェやフラワーショップを店舗経営する私たちは、多くの飲食店同様、コロナの問題が発生して以降、大きな売上と収益の落ち込みに直面しました。


さらに注力してきたブライダルや卒業式などのイベント・式典での装花についてもキャンセルが続き、全体の売り上げは半分近く下がりました。



そこで真っ先に取り組んだのは、60名のスタッフの雇用を守るためのさまざまな工夫です。


私たちにとって、「雇用を守る」というのは人一倍(会社一倍?)大きな意味があります。




実は私たち60名のうち75%にあたる45名は、障がいや難病に向き合いながら働く人たちです。



障がい者雇用などの制度があっても全国での就労率はまだまだ低く、たとえ就業できたとしても賃金は平均に比べて著しく低いのが現状です。


そのような人たちの雇用を守り、生産的に、そして幸せに働けるのだと実証していくこと自体が、私たちの事業の意義の1つだと考えています。




ひとりでできなくても、みんなでできればいい


しかしコロナによる影響は、事業の売上だけでなく、スタッフが安心して働く環境をも直撃しました。


もともと心身に不安を抱える中での未知の感染症への恐怖に、先行きの見えないことへの不安。


さらに仕事においても、急な営業短縮や休業、予定していた仕事のキャンセルなど、日々起こる想定外のことに、症状を悪化させてしまうケースが多発し、勤務が困難となったり、家から出られなくなってしまうような事態が起こるようになりました。



感染症への不安やリスクを考えても、在宅勤務に切り替えざるを得ないー。


しかし取り扱っているのは、生きている花や植物です。


鮮度が命のそれらを各々の家に郵送するわけにはいかず、在宅でできるようには思えませんでした。



そこで、1つの商品を作る工程を細分化し、土台やラッピングの制作などの生花を扱わない作業を切り出して在宅で行う方法を考えました。


障がい当事者スタッフの適性や現在の健康状態などをよく見極め、急に勤務ができなくなる可能性なども考慮したうえで、在宅も組み込んだ体制で引き続き高品質な商品を提供できるよう、急ピッチで体制を整えました。




その実現に欠かせなかったのが、チーム制です。


私たちは、5人1組の小さなチームを組んで働いています。


その中で、みんなが自分が持つ障がいや制約を共有し、お互いの状況をよく理解し、カバーし合うのです。



ひとりでできなくても、みんなでできたらいい。



病気や障がいの有無ということだけではなく、子育てや介護、LGBTQ、一人ひとりの思想や適性なども含め、働きづらさはみんなが抱える問題であり、見方によってはみんなマイノリティです。



だからお互いをジャッジするのではなく、冷静に今ある現状をそのまま受け止め、どうしたらやり切れるかを本気で一緒に考える。


決して甘い話ではなく、一人ひとりがハードルを抱えながらも会社の戦力であるがため、非難や不満に投じている場合ではないのです。



そのような考え方で、できないことや足りないものではなく、常に何ができるかにフォーカスしてくれるメンバーたちにとても感謝していますし、だからこそ前に進めているんだと思います。




輝く場を失ってしまった花たちへ、第二の舞台を


この他にもたくさんの小さな工夫を積み重ね、助け合いながらなんとかこの状況を乗り越える中、ひとつ頭の痛い問題がありました。



それは、結婚式や卒業式などのイベントの度重なるキャンセルにより、たくさんのお花が余ってしまったことです。


たとえばウェディングでは毎月数十件入っていた会場装花が、1年前の4月、5月はゼロになりました。


売上減によるビジネスへの影響もあるのですが、さらに重かったのが、生きているお花を大量に処分しなくてはいけないことによる、スタッフの心身への負担です。



もともと私がお花を扱うビジネスを始めたのは、私自身が心身ともにボロボロになったときに生きている花に触れることで癒され、心が救われたためです。


障がいや難病と向き合う人々だってきっと、仕事で花や緑を通じて心を回復していくことができるはずー。


その思いでこの事業を始め、実際に花々に触れながら心の安定を取り戻していく人たちを見てきました。


しかしコロナによる受注キャンセルにより、そのお花を処分しなくてはいけないという事態になり、花を扱う身としてとても辛い状態でした。


そこで取り組んだのが、キャンセルとなったお花を束ね、医療従事者や学童の先生など、今頑張る人に届けるフラワードネーションプロジェクトです。

https://camp-fire.jp/projects/view/251369




キャンセルとなったお花を集め、いま一番応援したい人へ贈るクラウドファンディング。


今頑張っている人たちのため、

それを応援したい人たちのため、

輝く舞台を失ってしまった花たちに、輝く場を与えるため、


そして、障がいや難病と向き合いながらこの状況を乗り越えようとしている私たちの仲間のため。


エールを送り助け合うために、支援を募ることにしました。



結果、目標金額に対し+742%というとても大きな支援が集まりました。(支援総額1,113,000円)



支援の輪が広がっていく


今まで、「障がい者」は社会課題の真ん中にいて、支援される対象でした。

しかしフラワードネーションに障がいや難病と向き合うスタッフが関わったことで、「自分たちも誰かの力になれる」「社会課題に自分たちもアクションできるんだ」ということをそれぞれが知りました。


今までは、与えられることが中心だった個人が、次は与える側になっていく。

その瞬間、働くスタッフの顔付きが変わっていきました。



今までは社会課題や養護の対象とされていた障がいや難病当事者が、たくましく、次は自分たちが与える側へ変わっていくことは素晴らしいことだと思いました。



私たちが次にアプローチできることは何かを考え、次に取り組んだことは、経済的困難な状況にある子どもたちや若者たちへのごはんの提供と、それを企業などの第三者が支援できる仕組み作りです。

このプロジェクトも、障がいや難病当事者が中心となって活動します。


もともとローランズ原宿のフラワーカフェで行なっていた子ども食堂を、もっと多くの企業が関われるように仕組み化したものです。


(障がい当事者が中心となって支援の輪を広げる「お花屋さんの子どもごはん」スタート! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000018643.html)




ひとり親世帯や社会的擁護出身の若者らを支援する団体と連携することで、本当に今支援を必要としている人たちへタコライスやドライフルーツなどの食事を500食以上お届けすることができ、今も活動を続けています。



本活動の中で、せっかくならお花屋さんである私たちらしい支援をと、ごはんとともに必ず1輪のお花を添えて提供していたのですが。


それはごはんを食べてくれる子どもたちへのプレゼントであるとともに、その子たちがお母さんやお父さん、その他育ててくれた人たちへ、そのお花をあげて感謝の気持ちを伝えるきっかけになればいいなという想いがありました。


実はそのお花への反響がとても大きく、「お母さんにお花をあげたらとっても喜んでくれたの!」と、とてもうれしそうに教えてくれる子どもたちに、花が持つ力の大きさを、私たちも改めて感じることになりました。



そこで決めたのが、今回の母の日のプロジェクトです。

支援は誰かへのギフト購入の追加オプションとして(1)、

もしくは支援のみを行うこともできます(2)。


(1)母の日ギフト2021 https://lorans.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=2556761

(2)支援者様特設ページ https://lorans.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=2563334




私たちはお花屋さんですが、ただお花を売ることだけでなく、お花によってたくさんの幸せが生まれることが目的です。


お花はいつか枯れ、それをずっと所有することはできませんが、それを通していつもの感謝の気持ちを伝えたり、人々をつなぐことができます。



私たちは、たった一輪の花を贈るような小さな一歩から、幸せを生む優しさの循環が始まると信じています。そして大きなハードルと向き合いながら幸せに働くことを諦めない仲間たちと、これからも活動を続けていきます。








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