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「英語でマインドフルネスの良さを世界中に伝えたい。」全編英語で行うヨガと瞑想の疲労回復プログラムを立ち上げ、日本を代表するマインドフルネスのインストラクターを目指す

著者: クロスメディアグループ株式会社

ビジネス書出版社としてスタートしたクロスメディアグループ。出版事業だけでなくビジネスパーソンの疲労回復に特化したジムZERO GYMの運営など、展開の幅を広げています。今回のストーリーではZERO GYMインストラクターとして活躍する隈明日美(くま あすみ)さんをご紹介します。



隈さんは米国大学留学で培った語学力を活かして、ヨガや瞑想を行う疲労回復プログラムの全編英語版を立ち上げました。その背景には、「マインドフルネス」に関心のある海外の方に向け、言語の壁を感じずに気軽に試してみてほしいという隈さんの強い想いがありました。


しかし、プログラムの立ち上げにあたって数々の壁にぶち当たってきました。現在もまだまだ模索の日々だといいます。今回のストーリーでは、そんな隈さんのプロジェクト立ち上げの裏側をお見せします。


「ZERO GYMだけのサービスを世界中に届ける。それが私のミッション」


ーー英語プログラムの立ち上げのきっかけは何だったのですか?


海外留学経験があり、英語でのコミュニケーションが好きなので、入社当時から「英語を使って役に立ちたい」と思っていたところ、「ZERO GYMのサービスを海外に届けていきたい」という社長の話がありました。自分の語学力を活かし世界でZERO GYMにしかないプログラムを知ってもらい、国籍関係なくもっと多くの人の生活を向上させたい、そう思いました。


まずは海外出身者が東京にどれくらいいるのか、調査するところから始めました。東京だと新宿区が一番海外の方の在住率が高かったんです。ZERO GYMは新宿にも店舗があるし、海外出身の方を1%でもZERO GYMに呼べたらいいんじゃないかと思いました。


瞑想やヨガで心と体、そして脳の疲労まで取り除く、ZERO GYMのプログラムってとてもユニークで、日本人の方だけだともったいなくて。新規事業のアイデアとして、「英語プログラムを展開してみませんか?」と思い切って提案しました。


すると意外な答えが返ってきました。すでにインストラクターがクラス内でお客様に伝えるポイントを英訳依頼済みで、もう少しで完成すると言われたのです。「英訳のお願いまでしているのに、なぜ事業化されてなかったの?」って、驚いたので理由を確認しました。すると、元々店舗での英語クラスの展開は考えていなかったそうで。海外で行われるブックフェアなどでプログラムを説明する際のスクリプトとして英訳してもらっていただけだったのです。せっかくここまで英訳してもらったのならもっと活用しないともったいないと思いました。


だからこそ、「自分が英語プログラムの立役者になろう!」と決めたんです。これは私に与えられたミッションだと思いました。「せっかく英訳してもらったのに、使わなければ意味がないし、絶対に形にしてみせよう」。そう決意しました。



ーープログラムの立ち上げでまず着手したことは何でしたか?


まずはプログラムを知ってもらわないといけないので、英語版のホームページを作ることから始めました。海外展開するには英語版のホームページは必須です。既存のホームページの内容を参考にして、一から英語のホームページを作るのは思ったよりハードでした。日本語の微妙なニュアンスを英語で伝えるのは難しかったですし、何よりホームページの作成なんてこれまでにしたことがなかったので、制作作業も先輩に教わりながら四苦八苦でした。


また、すでに訳されていたプログラム本編を自分の中に落とし込む作業も大変でした。というのも、プログラムの英訳は本当に完璧で素晴らしかったのですが、実際動きながら話すと時間内におさまらず、手を加える必要が出てきたからです。


日本語には曖昧な言葉が多く、短くても意味が通ることが多いですが、説明が必要な英語だとどうしても省きづらいのが問題でした。でも動きながら英語の長文を話そうと思うと、話ばかりに意識が向いてしまうので、それは良くない。お客様の理解しやすさとスムーズなレッスンにすることを第一に考えると、もともとあった英訳を自分でアレンジせざるを得ませんでした。


発音も、ネイティブではないので、流暢にはっきりと話せるわけではない。自分のいまの言語力とお客様への伝わりやすさも考慮したうえで、翻訳を変更しました。ベースを作るにあたって、一番大事にしたのは、実際の動きに自然に言葉が寄りそうようにすることです。


(苦戦しながら作り変えたスクリプト)


言語の壁を感じながらも、妥協せず、極限までプログラムの完成度を高める


ーー練習はどれほどこなされたのでしょうか。


実は、きちんと練習時間を確保できたことは、ほとんどありません。毎日クラスを持っていますし、運営側の仕事などもしているので、勤務時間内に練習できることはほとんどありませんでした。その代わり、暇さえあれば隙間時間を使ってイメージトレーニングをしました。何かしながら、レッスンの動きを頭の中でイメージして英語を口にしました。料理しながらひたすらしゃべり続けたこともあります。短い時間で集中して取り組んだのが逆に良かったのかもしれません。


もちろんお客様に提供するものだから遊び感覚では決してできないし、完成度にもとことんこだわらないといけない。そこは自分が絶対に妥協しないと決めています。特に外国籍の方に有料サービスとして提供するので、生半可な気持ちでは絶対にできません。練習のスタイルにはこだわらなくていいと思いますが、実際のレッスンで自分もお客さまも納得のいくレッスンにすることは常に意識しています。


ーー第一回目のトライアルはうまくいきましたか?


非常に緊張したのと、やっぱり動きながらだと言葉が全然出てこなくて。静止した状態で話すのと、実際お客様の前で動きを見せながら話すのとでは雲泥の差がありました。また、日本語だと「足」と「脚」って「あし」で通じますが、英語はそうはいかない。英語だと詳しく言わないといけない部分が多くて。ライト、レフト、レッグ、フット、と本当に混乱しました。「私、いま右足?右脚?どっち言ってた?」って(笑)。本当にわけがわからなくなる瞬間もありました。


ーー言語の壁は予想以上に高かったのですね。


もともと日本語で同じレッスンを何十回も担当させてもらってるので、流れは完璧に頭に入っていますが、日本語として頭に入ってしまっているので余計に混乱してしまうことはありました。日本語から英語に変えなければならないからです。だからどうしてもお客さまとのやりとりの余裕がなくて。それが本当に残念でした。


レッスンを決められた時間内で進めることだけに完全に気持ちが向いてしまっていることに気づいたので、自分自身が話しやすいだけでなく、受講してくださる方に伝わりやすいように、常にもっと良い話し方やフレーズを日々アップデートさせています。YouTubeでヨガレッスンに使えるフレーズを集めて引用してみたり。どこまでも顧客志向でいきたいですね。


ーー言語の他に苦労した点はありますか。


英語でプログラムを行うとなると、どうしてもターゲット層が変わってくるので、中身の充実にも気を配っていかなければなりません。身体のつくりとか鍛え具合などが日本人と違う外国籍の方にすると、通常通りのプログラムだと物足りなさを感じてしまう。もともと体を鍛えてるから、瞑想が深まりづらいんです。メカニズムとしてはまず追い込んで、頭が運動にしか意識がいかないようにして、瞑想にうつるのが良いのですが、前半のトレーニングをターゲット層によって変えないといけないと思いました。これはまだ模索中です。


でもトライアル後、嬉しいことに「瞑想で気分がすっきりした」というポジティブな声をもらいました。まずはやってみたいって思ってもらうこと、それがこれからの課題ですね。それにはまず「疲労回復」というコンセプトを理解してもらわないといけない。そしてその良さを知ってもらわないと、たとえ英語で展開していても実際にやってみようと思ってもらうのは難しいと思います。


「疲労回復」というコンセプトに関してどんなイメージをもっているのか、外資系の会社に勤めてる知り合いに聞いてみたんです。すると「皆疲れてないよ」って言われて(笑)。本当に精神的なストレスがほとんどないのかもしれないし、もしくは自分の疲れに気づいていない人が多いのかもしれない。ただ、情報にあふれている現代で、脳疲労は国籍関係なく、万人の課題だと思いますので、身体やメンタルではなく脳疲労解消やパフォーマンス・集中力アップという効果もあるということをしっかりと知っていただき、受講に繋げたいと思っています。


ーーどういう方に届けたいですか?


最近は通常クラスに参加しいただいている会員の方もお誘いしています。いつもと違う雰囲気を味わいたい方にはとっておきだと思います。日本人のインストラクターで、全編英語で行うマインドフルネスのジムやプログラムはまだ未開拓な領域だと思います。有名なヨガのインストラクターの方々が集まる、バイリンガルで行われるヨガのレッスンを受けたことがありますが、レッスンの90%くらいは日本語でした。それでも海外の人はたくさん受けにきていました。英語でのレッスンは需要があるのに、国内でのオールイングリッシュのレッスンはまだまだ少ないのではないでしょうか。



動きと英語でアットホームな空間を創り、自分をリセットできる場に


ーー英語だからこそ生み出せる特有のレッスンの雰囲気などはありますよね。


そうですね。やはり英語の方が場を盛り上げやすく、楽しいんですよね。ヨガでの英語は通常の会話に使えるかといわれると、そうではないかもしれませんが、「Are you ready?」というようなちょっとしたフレーズが解放感とラフな雰囲気を作れるし、非日常を味わうにはとても良いと思います。それにクラスの前後も英語での会話を徹底していますので、そこで話す練習をしてもらえます。


外国籍の方に、情報社会で脳疲労をリセットするためにマインドフルネスが大切だということを知ってもらいたいし、慣れ親しんだ言語でレッスンを受けられるというのは、ほっとすると思うんです。そんなアットホームな気分を感じてもらいたいです。私も留学の経験があるので、言語による心細さはよくわかります。ゼロジムでの会話がマインドセットの変化につながったら最高ですよね。外国籍の方にも日本人の方にもゼロジムという空間が、一息つけて、よしまた頑張ろう!と自分をリセットできる場所にしてもらいたいですね。




ーー最後に今後の意気込みをお聞かせください。


言葉と動きでつながれる空間にしていきたいし、何より英語によるマインドフルネスで元気になれると思う。英語で追い込みかけるのと、日本語で追い込みかけるのとでは全然違うんですよね。こっちもビリーズブートキャンプみたいなイメージで、ポジティブにできる(笑)。「疲労回復」ときくと、ネガティブなイメージが大きいかもしれません。でもZERO GYMのプログラムは、マイナスをゼロに、そしてプラスを目指すものです。


海外出身者だけでなく、日本人の方々にも英語を学びながらヨガや瞑想のできるユニークなプログラムとして楽しんでもらいたいです。語学の学習法に「 TPR(全身反応教授法)」という手法がありますが、「行動と共に覚えた言葉は長期間忘れない」という記憶の仕組みから現在では言語習得全般に有効だとも考えられています。これを取り入れているのが本プログラムであり、楽しく英語に触れ合えるいい機会として活用してもらえます。


もちろん、語学に自信のない方やあまり英語に興味のない方も大歓迎です。英語クラスを日常のスパイスとして受けに来てもらいたいですね。私の最終目標は、ゼロジムを交流の場にすることです。国籍を問わず、ゼロジムファミリーの輪をもっともっと広げていきたいです。











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