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カラコンを正しく使ってもらうためのアイセイの取組み 『キャッツアイケース』の開発プロジェクトの裏話

著者: 株式会社アイセイ


9月10日コンタクトレンズの日に向けて、Ever Color 1day(エバーカラーワンデー)などのブランドを持つ株式会社アイセイは、業界が取り組んでいる「コンタクトレンズを正しく使ってもらう」ための啓発活動のテーマから「お手入れ」に着目。楽しみながらカラコンのケアをすることを目的とした『キャッツアイセイケース』の開発試作モニターを募集する。

このケースは、2020年の販促コンペでグランプリを受賞したアイデアを元に、現在も開発中のアイテムだ。今回はアイセイの新規事業開発を担当する川部より、コンペでグランプリを獲得してから、モニター募集までに至った経緯を紹介したい。


※販促コンペ授賞式より、提案者と筆者


【商品を正しく使って欲しいという積年の想い】

カラコンについて情報を調べると、「間違った使い方をすると眼の健康を損なう」という内容を目にする。過去には大きな問題となったケースもあった。これはカラコンを正しく使えていないことが原因だ。


カラコンでの眼障害の原因としては、以下のようなものがあげられる。

  1. 目の異常や違和感を放置したまま、カラコンを使用している
  2. 眼科の定期受診をせずに、カラコンを使用している
  3. 十分なお手入れをせずに、カラコンを使用している
  4. 承認番号の無い、安全性に疑念のあるカラコンを使用している


当社では、「カラコンを文化にする」という

企業ミッションを掲げている。それには正しい使用が不可欠だ。

そこで今回のプロジェクトでは、③のお手入れに着目した。


※カラコンのお手入れの様子

【新しい発想を呼び込むために】

このプロジェクトを立ち上げてから、ちょうど「販促コンペ」の話を宣伝会議から

持ちかけられた。販促コンペとは、広告・販促の若手プランナーやクリエイターたちの登竜門として、業界でも定評のあるイベントだ。複数の企業の求めるテーマに対し、延べ数千もの企画案が応募されてくる。これまでのやり方を踏襲して社内で検討するより、色々な業界から幅広くアイデアを集め検討することは新しい可能性を感じた。


※販促会議コンペ 募集広告


正直めんどうなんだよね。カラコンを正しく使うことがむしろ楽しくなるアイデア募集


カラコンユーザーも、お手入れはやらなきゃいけない、やったほうが望ましいのはわかっている。でも、どうしてもめんどうさを感じてしまうという現実。それをど真ん中に表現したテーマだった。

募集開始時は100も集まれば成功と考えていたが、終わってみれば265案ものアイデアが集まった。

【アイデア選定メンバーを社内公募】

アイセイでは、外部の協力を得てアイデアを集めるのは、初めての試み。だからこそ、現在の職務では得られない経験の機会になることは確実であった。そこで、エントリーから審査に至るまでの一連のプロセスを担うプロジェクトチームを立ち上げ、メンバーを社内で公募した。マーケティングや営業、業務、物流、EC、総務、さらには前社長まで加わり、部署も年齢層もバラバラな17名で選考をはじめた。


※会議の様子(イメージ)

【選考基準と選考】

世代や性別、職種にキャリアといったバックボーンの異なる社員が集まったため全員の価値観はバラバラだった。そこで選考基準を決めることで、目的や基準を明確にした。


※選考基準の各項目


評価軸は上記の6項目。その総合点上位から受賞候補をピックアップすることにした。また、評価軸の中でも特に「独創性」と「インサイト」は重要視し、その上位案は選定候補に入れた。また、〈アイセイ性〉(=アイセイ独自の価値基準。社名の由来でもある「愛情と誠意」の感じられる度合い)が低いものは、アイデアとしてヒネリが利いていても、泣く泣く見送ったものもあった。


そして265もあったアイデアから最終選考対象として5案まで絞り、応募者によるプレゼンを行った。プレゼンを受けることで、書類だけから読み取れなかった背景も知ることができ、提案内容の詳細と輪郭がくっきりとわかるようになった。


正直、一案だけに絞るのは惜しいという気持ちに駆られる。しかし、いずれかを選ばなければならない。6つの指標に沿って、再び丁寧に検討、議論を重ねた上で、最終的には全員意見が一致。「キャッツアイセイケース」を選定した。


※提案者のスライドより

【キャッツアイケース】

キャッツアイセイケースとは、猫型をしたコンタクトレンズのケースで、猫の目がちょうどカラコン収納ケースになっている。


特徴①ブラックライトでコンタクトレンズのたんぱく質汚れがくっきりと分かり、洗い残しチェックも可能。


特徴②タイマー機能で使用期限がわかる。



※キャッツアイケース


※ポイント1 ブラックライトで汚れが光る


※ポイント2 タイマーで使用期限が見える


このキャッツアイセイケース、選定の決め手となったのは「リアリティ」であった。

最終選考時に追加資料として、提案者自身が丸1日使ったコンタクトレンズにブラックライトを照射して、実際に汚れが発光して浮かび上がる様子を見せた。これでアイデアの評価もより盤石となり、メンバー一同で納得して選出することになった。

【アイデアを形へ】

※まずは段ボールでの試作


次はアイデアを形にしていかなくてはいけない。当初は順調に進むかと考えていたが、いざ取り組んでみると大きな2つのハードルをクリアする必要があった。それは


  1. 製品化レベルの開発フローにてブラックライトでタンパク質汚れを浮かび上がらせること
  2. 猫型ケースの試作段階での製作ロットの問題


まずは提案のコアとなるアイデアの確認だ。紫外線によるブラックライトで、目やにやタンパク質汚れを浮かび上がらせると言う事の確認である。大手ケア用品メーカー、大学との共同研究など、方々から実験に協力を得たのだったが、実際に使用した汚れと違って製品開発で検証に用いる試剤を用いた実験では、なかなか思うように再現できない事があったのだ。一度は停滞しかけた検証であったが、最後には日本コンタクトレンズ学会にも名を連ねる、著名な眼科医の先生の一言をきっかけに、一気に前進したのだった。


それは「とても面白い試みだと思います。開発試剤ではうまく再現できなかったのであろうとも、ともかく実際に使用したカラコンを使って、その汚れが光ることが確認できたのなら、実践としては十分に意味があると思いますよ。」と言う言葉だった。


次にケースの試作ロットの問題である。最初に相談した先は大手玩具メーカーだったが、やはり型代の負担や、大量のロットが必要になるだろうことがわかった。そこで、様々な知己のツテを頼って相談し、試行錯誤を重ねた結果、3Dプリンターでのサンプル製作を中国深センの工場が引き受けてくれることとなった。その試作スピードはとても速く、1か月もしないうちに日本の事務所に初期ロットが届いた。こうして開発試作機が仕上がった。


※試作1号機

【モニター募集】

※モニター募集ページより


製品化へと向けた最初の一歩として、まずは9月10日コンタクトレンズの日に向けて『キャッツアイセイケース』のモニターを募集することとなった。


<モニター募集ページはこちら>

https://www.aiseis.jp/news/cats_aisei_case/


モニターの方に、実際に開発試作機のキャッツアイセイケースを使ってもらい、本来の目的である「正直めんどうなんだよね。カラコンを正しく使うことが、むしろ楽しくなる」というテーマが実践できるかどうかをまずは確かめるのだ。


「カラコンを正しく使ってもらう」ことをはじめとして、アイセイはこれからもカラコンを文化にするという企業ミッションに向けて、智恵を生み出していきたいと思う。



【株式会社アイセイとは?】

ネット通販市場に向けた使い捨てコンタクトレンズとケア商品の卸販売会社として、2005年に事業をスタート。企画開発機能も持ち、メーカーの協力を得て新商品も次々と生み出しています。中でも、2011年に販売した自社ブランド「エバーカラー」シリーズは、楽天市場のカラーコンタクト売れ筋ランキングで常に1~2位を獲得するなど、大ヒット商品となっています。現在ではネット店舗に加え、街のドラッグストアやコンタクトレンズショップなどのリアル店舗への販売も強化し、2014年2月には東京にも拠点を設置しました。さらに、2014年には海外戦略室を設置して、アジアを中心とした海外市場に向けてジャパンブランドの製品を販売を始めるなど、事業を拡大させています。


【会社概要】

会社名:株式会社アイセイ

所在地:

 大阪府大阪市東淀川区東中島1丁目19番4号 新大阪NLCビル4階 <本社>

 東京都台東区台東1-27-10 第2成瀬秋葉原ビル 1F

代表者:五島 良平

担 当:川部 篤史(新規事業開発管掌 執行役員)

    都留 由佳梨(広報プロジェクト)

URL:https://www.aiseis.jp/





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