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甲子園がばい旋風の立役者が語る「SAGA2024国スポ・全障スポ」への想い。アスリートピクトグラムモデル・副島浩史氏

著者: 佐賀県

70年以上続いてきた「国体」。2024年から「国民スポーツ大会(以下、「国スポ」)」と名を変え、初回が佐賀県で開催されます。大きな節目を機に、2024年国スポ・全障スポ(以下、「SAGA2024」)を「前例のない新しい大会」にするべく取り組む佐賀県。その象徴となるのが「佐賀県内外で活躍する実在のアスリートのピクトグラム化」です。

今回は、そんなピクトグラムのモデルを務めた一人、副島浩史さんにフォーカスします。2007年、全国高校野球選手権大会に佐賀県立佐賀北高等学校のクリーンナップを担う中心選手として出場し、決勝戦となった広陵戦で逆転満塁ホームランを放ち、全国制覇の立役者となった副島さん。現在は佐賀県立唐津工業高等学校で野球部の監督として高校球児たちの指導にあたっています。高校時代当時の思い出やピクトグラムプロジェクトへの想い、SAGA2024への期待について語ってもらいました。


◆ピクトグラム用の写真を選びながら、当時を懐かしく思い出しました

「SAGA2024のピクトグラムにするのでプレイ中の写真をください」とお話をいただいた当初は、いまいちイメージがピンときませんでした。


詳しくお話を聞いて理解はしましたが、正直「僕でいいのかな」とも思いましたね。それでもピクトグラムのモデルになれたことはうれしかったですし、光栄だなと感じました。


「印象に残っている試合の写真をお借りしたい」とリクエストをいただいたので、打っているとき、走っているとき、守っているときと何種類かをピックアップしました。久しぶりに高校生時代の写真を見返したので、懐かしかったですね。今、私は監督として高校野球に携わっているため、「甲子園に生徒たちと行きたいな」とも思いました。


ピクトグラムのモデルに選ばれたのは、甲子園決勝の広陵戦のワンシーン。逆転満塁ホームランを打ったときの写真でした。一目見て野球らしさが伝わる写真なので、「やっぱりこれが選ばれたんだ」と思いましたね。


この打席は、チームメイトみんなで打席を繋いで繋いで回ってきたチャンスでした。ネクストバッターズサークルで待っているときは、「俺まで打席を回してくれ。絶対に俺が打ってやる」という一心だったことを覚えています。打席に入るときにはスタンドの大歓声も聞こえないほど集中できていて、スライダー1本に絞ってフルスイング。


気持ちを乗せた打球がどうなったかわからないまま、とにかく全力で1塁まで駆け抜けました。正直、打ったあとの記憶はあまりないんです。伸びた打球はレフトスタンドに入ったのですが、わーっと盛り上がっている中で「あれ、俺たち逆転した……?」と状況を掴み切れていなかったくらいで。それぐらい興奮した状況にあったのでしょうね。


そんなワンシーンを切り取ったピクトグラムを見て、当時のことを思い出してくれたらうれしいなと思いました。


◆実在のアスリートに紐づいたピクトグラムをきっかけに、競技に興味を持ってもらえたら

完成したピクトグラムを見せてもらいましたが、これはいいですね。野球らしさが伝わるデザインだなと思います。「これ、俺なんだよ」と自慢したいです(笑)。


図らずもピクトグラムはオリンピックで話題になりましたが、実在しているアスリートの写真からピクトグラムを作る佐賀県のプロジェクトは、さぞかし大変だったのではないかと思いました。



公式サイトではピクトグラムと使用写真の両方が見られ、モデルのプロフィールやコメントも掲載されています。わかりやすくていいなと思いましたね。「これ、何の競技だろう?」と興味を持ってくれる方が一人でも多くいたらうれしいです。

※元の写真も見られる公式サイトはこちら


◆およそ50年に1度の地元開催。アスリートには限界を決めずにチャレンジしてほしい

私自身は甲子園で優勝したあと、2007年の秋田国体にも出場し、ベスト4まで進みました。国体の高等学校野球の出場要件は厳しく、甲子園でベスト8以上の成績を残すことなどが最低要件になります。高校球児として最後の大会で国体に出られたことは名誉だなと思いましたし、お客さんでいっぱいの球場でプレイできることにありがたみも感じていました。


今回、佐賀大会から国体から国スポに名前が変わると聞いたとき、実は「へえ、そうなんだ」としか思わなかったんです。しかし、あらためて考えてみると「体育大会」は少し印象が硬く、県と県との競争意識の激しさを感じるんですよね。「スポーツ」に変わることで親しみが増し、子どもから大人までいろいろな方に興味を持ってもらいやすくなるのではないかと期待しています。


それにしても、佐賀県が初の国スポ開催地になるとは、試されているなと感じますね。伝統ある大会が佐賀から新しくなるのは誇らしいなと思います。成功を祈りたいです。


47都道府県を順繰りに開催地にしていくため、地元開催はおよそ50年に1度。生きているうちに何回地元で見られるだろうという貴重な機会なので、ぜひ観客の皆さんにも楽しみにしていただけたらと思いますし、アスリートの方にはいいパフォーマンスを披露してもらいたいですね。やっぱり地元、佐賀のアスリートたちには特にがんばってほしいなと思います。


個人的に、佐賀県民は「自分の限界を突破してやろう」という気概が少し弱い傾向にあると感じていて、もったいなさを感じています。私は甲子園に出て優勝したことが自信に繋がりましたし、「もっと上を目指そう」と取り組むことで見える景色があることを知りました。その経験から、監督を務める唐津工業高校野球部員たちには「自分も初めは全国で通用するか不安だったが、甲子園で全国の強豪たちと互角に渡り合えることができた。大学でもタイトルを取ることができた。自分の力を信じ、限界を決めずに、上を目指してチャレンジして欲しい。」と指導しています。野球に限らず、アスリートの皆さんには、ぜひ限界を決めずにチャレンジしていただきたいです。


佐賀北高校が甲子園で優勝を果たした当時は、高校総体も佐賀であり、非常に地元が盛り上がった記憶があります。このときを超えるような熱をSAGA2024で感じられたらいいですね。出場選手に教え子が何人かいたらいいなとも思っています。




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