人生に寄り添う1本届けたい/刃物の町・岐阜県関市の包丁/デザイン手がけオンラインで販売/50歳からの新たな挑戦
はじめまして。京都市で包丁をオンライン販売している和田圭子と申します。2021年7月にオンラインショップ「ANNE(アン)」を立ち上げました。
「人々の食卓に寄り添い続ける包丁を届けたい」と、50歳を過ぎてから起業を決めました。実家が国内屈指の刃物の町、岐阜県関市で刃物製造会社を営んでいることを活かし、とにかく自分自身が使いやすい一丁を追求しています。
お客様にメンテナンスしながら包丁を育てていく感覚を楽しんでいただきたいと思っています。
50歳を過ぎてからの起業
3人の娘が巣立ち、子育てが一段落したことが転機になりました。元々料理が好きだったこともあり、台所に立つ時間が増える中、改めて心身を満たす食事には良質な道具が欠かせないことに気づいたんです。
弟は刃物の町、岐阜県関市で先代から継いだ刃物製造会社を経営しています。一緒に話し合いながらデザインも質も兼ね備えた包丁を作ることで、料理の時間をもっと豊かにできるのではと考えるようになりました。
よく切れる包丁を使って料理をすれば、味や見栄えが格段に違います。切れ味が落ちたと感じたら研いで蘇らせる。じっくりと砥石に対峙する時間は、無心で没頭できる貴重なひとときです。
知人からは包丁をホームセンターなどで購入し、切れなくなったら買い替えているという声も聞かれました。サスティナブルな社会のあり方が問われる中「生活必需品である包丁を通して、一つのものを長く使って育てていく喜びを味わってもらいたい」という思いが強まっていきました。
コロナ禍での起業
2020年1月に起業したものの、徐々に新型コロナウイルスが感染拡大し、弟が経営する刃物製造会社では材料の仕入れなどに影響が出ました。私自身も一時事業を停止せざるを得ない状況に追い込まれました。
一方、世間では外出しづらい状況が続いたことで、人々の間に「おうち時間」を充実させようとする動きも出てきました。スーパーに行くと、お菓子の材料が何カ月も品薄状態だったのをよく覚えています。何とかこのタイミングで販売を開始しようと、商品のデザインはもちろん、ホームページの開設やパッケージデザインも急ピッチで準備を進めました。
そうして2021年6月にインスタグラムを開設。日々地道に投稿し続け、現在は1000人以上のフォロワーの方にご覧いただいています。家庭で料理する人が増えている今、感染拡大前から計画していた商品は、図らずとも時勢に合った物になったと思っています。
ショップ名で、包丁の刻印にもなっている「ANNE」に込めた願い
「阿吽(あうん)の呼吸」から着想を得ました。日本語の「あいうえお」は「あ」から始まり「ん」で終わることから、「阿吽」という言葉は宇宙の誕生と終わりを意味しているんだそうです。すごく壮大な話になってしまいましたが、宇宙の一生は、人の生涯にも重ねることができます。ANNEという名前には、生きていくのに欠かせない「食」を支える包丁を通して、お客様の人生を豊かにしたいという願いを込めました。
商品について
現在販売している鋼とステンレスの牛刀包丁はどちらも、お客様の「生涯の一丁」になると確信しています。家庭用包丁としては三徳包丁が一般的ですが、よりスタイリッシュで洗練された印象を持つ刃渡り18cmの牛刀包丁にしました。
柄の部分は麻布を何層にも重ねて樹脂で固めたスペイン産のリネンマイカルタを使用しています。木のように柔らかい風合いと、滑りにくい肌触りが決め手でした。雑菌も繁殖しにくい素材です。
オンラインショップではステンレス包丁が好調ですが、昔ながらの鋼も根強い人気があります。濡れたまま放置すると錆が出やすいという欠点もありますが、自然と鉄分が摂取できたり刃の表面がアンティーク調に変化していったりと、鋼ならではの味わいがありますよ。
今年春にはペティナイフの発売も開始する予定です。小型の包丁はお子様用にもキャンプ用にもぴったりです。
刃物の産地で脈々と受け継がれてきた技術を活かし、新しいデザインと共に世界に発信する。それが刃物の町で育ち、文化の発信地である京都に暮らす私にとっての使命だと思っています。
◆HP
https://instagram.com/anne_knife
https://www.facebook.com/anne.knife/
◆Online Shop
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