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ストーリーの著者は、読者でもあります

お母さんの自立を支援する 家賃保証会社が養育費保証を始めた理由

著者: 株式会社Casa

4月19日 今日は「養育費の日」

■「養育費をもらえなくて…」きっかけはお客様からの電話

当社は、賃貸物件の家賃保証を行なっている会社です。

家賃保証業務の一環として、家賃の支払いが難しくなった入居者様に対して、公的支援のご案内や食糧支援、住替え支援といった生活のサポートを行なっています。


私たちが養育費について課題に感じるようになったのは、ひとり親の入居者様から家賃に関する相談を受けているときのことです。

「養育費がもらえず、家賃が支払えない」という話がきっかけでした。

■そもそも養育費の受取状況はどうなっているのか?

厚生労働省の生活基礎調査によると、ひとり親世帯は全国に142万世帯いると言われています。

標準的な生活を送ることが難しいとされる相対的貧困率は、ひとり親家庭の場合「2世帯に1世帯」と言われ、ふたり親世帯の「7世帯に1世帯」に比べて非常に高い割合です。


そしてもう1つ、大きな問題があります。

全国ひとり親世帯等調査によると、実にひとり親世帯の56%以上が養育費を受け取ることができていません。欧米やアジアの諸外国では、離婚後の養育費や財産分与などについて裁判を行い、双方の合意の元、文書にすることが一般的です。

しかし、日本では口頭での取り決め、もしくは取り決めを行わずに離婚届を提出しただけで離婚が成立してしまいます。

そのため、離婚後に養育費を受け取ることができずに諦めてしまう人も少なくありません。


■養育費だけではない、ひとり親を取り巻く課題

私たちは、このような養育費の現状を改善し、ひとり親世帯に安心を提供したいと養育費保証プロジェクトをスタートしました。


当初、私たちは養育費の受け取りの実現が、問題の解決になると考えていました。

しかし、ひとり親世帯の現状について調査を進めていくと、それだけでは根本的な問題解決にはならないことに気づきました。


なぜなら、ひとり親世帯構成の大部分を占めるシングルマザーの平均年収は243万円で、各種手当などを引いた実際の就労収入は200万円とも言われており、ひとり親とこどもが生活するには十分な生活費とは言えないからです。

そして、その要因として、シングルマザーの約半数がパートやアルバイトなどの非正規雇用であることが挙げられます。

(出所:2020年厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課 母子家庭の現状)


養育費は「こどもの教育費」です。生活費の中に養育費を入れてしまうと、こどもの進路選択を狭めてしまったり、こどもが独立した後、ひとり親自身の生活が苦しくなったりと、ひとり親世帯の抱える金銭的・心理的な現状は改善されません。


私たちは、養育費をこどもの未来のためのお金として捉え、将来のために貯蓄できることが重要だと気づきました。

そのためには、経済的に自立できるような環境の構築と、自分に自信を持ているようマインドをサポートすることが必要です。環境やマインドの醸成を通して、ひとり親自身が離婚を前向きに捉え、こどもの未来と自分の生活に目を向けることができます。


そこで当社では、養育費の保証に加え、ひとり親が抱える問題を様々な面からサポートするサービスを提供しています。


まず1つ目は「部屋探しのサポート」です。ひとり親世帯の場合、養育費を受け取っている場合でも十分な資力がないとみなされることや、入居条件に合致しないなど、ハードルが高くなると言われています。

離婚前後は部屋探し以外にも様々な手続きを行う必要があります。そのようなひとり親の負担軽減が可能になると考え、家賃保証の事前審査と部屋探しの支援を行なっています。


そしてもう1つは、「仕事探しのサポート」です。一般社団法人日本シングルマザー支援協会(本部:神奈川県横浜市、代表理事:江成 道子)と提携し、企業の紹介や履歴書の書き方、面接の指導、そしてカウンセリングを通じた心理的なサポートを行なっています。



私たちは、養育費相談室という部署で、養育費保証をはじめとする離婚に関する相談を無料で受けています。お問い合わせいただく方は、離婚を迷われている方や離婚して当初は養育費をもらったものの、受け取れなくなってしまった方など多岐に渡ります。


まず相談者の方からの話を聞き、状況の整理をすることで不安感を取り除くことに重点を置いています。

■こどもの未来を守るためにできること

そのために何ができるか。


私たちは、支払者と受取者の間に立つことで、こどもの未来のための関係構築のサポートを行なっていきます。一般的に目が向きがちな受取者やこどものみならず、支払者に対しても状況をヒアリングし、生活に寄り添う必要があると考えています。


例えば、支払者と連絡が取れなくなってしまったひとり親の方から、お子様が支払者であるお父さんに会いたがっているとのご相談を受け、当社の担当から支払者であるお父さんへご連絡いたしました。その際に事情があって連絡できなかったという支払者のお話を伺い、お子様が会いたがっていることをお伝えすると、後日受取者から面接の約束ができたとご報告をいただきました。


離婚問題を多く扱うAuthense法律事務所の高橋麻理先生は、「離婚を考えている方はどうしても離婚そのものがゴールとして捉えられがちです。でも。何よりも大事なのは、離婚後の毎日が、離婚前よりも幸せなものになること。そのためには、周囲のサポートが必要であることはもちろん、女性自身による、自ら幸せをつかむ決意と覚悟が大切だと思っています。」と話します。


これからも、当社はひとり親の自立と養育費の確保を通して、ひとり親の笑顔とこどもの未来を守ってまいります。




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